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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

核廃棄物輸出

2011年07月09日 | フクシマ原発震災
 ▼ 核廃棄物輸出
竹田茂夫(法政大教授)


 東芝の社長がモンゴルに核廃棄物の国際的処分場を造る計画を推進するようにと、米政府に要請したとの報道があった。
 かつて世界銀行のエコノミストが「発展途上国への有毒廃棄物輸出は理にかなっている」という文書を記し、これが漏洩して物議を醸したことがあった。今回の主役は経営者であるだけに、問題は具体的でより深刻だ。
 東芝を含む日本企業三社は、世界中で原発輸出を狙っている。原発商売で障害となるのはまず核廃棄物なので、この要請となったわけだ。
 フランスの国策会社アレバも、インド政府の要請でジャイタプールという地震多発地に巨大原発施設を計画している。
 だが、一九八四年のボバール化学工場事故(二万人前後が死亡と推定)を経験したインドの民衆や科学者は、命がげの反対運動を展開している。
 砂漠のモンゴルでは、話が違うとでもいうのか。
 こうしたなか、国際原子力機関は原発メーカーの製造物責任を不問にするルールの採用を途上国に働きかけている
 これ抜きにはリスクが過大で原発が売れない、という身勝手な理由からだ。
 それでも途上国で過酷事故が生じれば、原発メーカーは免責法を盾にとって知らぬ存ぜぬを決め込むことなどできないだろう。
 困窮する地方に原発や処分場を押し付けるという国内のやり方を世界に広げるべきではない。
『東京新聞』(2011/7/7【本音のコラム】)

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