▼ 1000万人で「さよなら原発」
各界の8人 署名呼び掛け
原発の著作も多いルポライターの鎌田慧さんらが15日、「脱原発」を求める1000万人の国会請願署名運動を始めた。9月19日には、東京・明治公園で5万人集会を予定する。東日本大震災から3カ月の今月11日には全国各地で大規模なデモや集会があった。福島第一原発事故の長期化を前に、脱原発のうねりはかつてない勢いで広がりつつある。(佐藤圭)
▼ 都内で9月 5万人集会
呼び掛け人は、鎌田さんのほか、作家の沢地久枝さん、大江健三郎さん、瀬戸内寂聴さん、辻井喬さん、落合恵子さん、経済評論家の内橋克人さん、ミュージシャンの坂本龍一さんの計八人。
原水爆禁止日本国民会議(原水禁)と原子力資料情報室、環境エネルギ1政策研究所の三団体でつくる実行委員会が支援する。
署名や集会では、原発の新規建設計画の中止や、全面停止した静岡県御前崎市の浜岡など既存原発の計画的廃炉、福井県敦賀市の高速増殖原型炉「もんじゅ」と青森県六ケ所村の使用済み核燃料再処理工場の廃止、再生可能エネルギーへの転換を要請する。
署名は震災から丸一年の来年三月十一日に、衆参両院議長と首相に提出する。
▼ 震災1年後国会に提出
十五日、都内で記者会見した鎌田さん、沢地さん、内橋さんは、脱原発への思いを語った。
沢地さんは「日本は被爆の歴史を背負っているのに、福島の事故を起こしてしまった。世界に対して恥ずかしい。今こそ行動に移す時だ。一千万人が原発は嫌だと署名すれば、いくらバカな政治家でも無視できない」と訴えた。
内橋さんは「原発は『合意なき国策』だ。市民の漠然とした不安を考慮しない。アメリカの技術をそのまま導入した原発は、地震や津波など日本固有の危機に耐えるシステムではない。人間の制御下に置けるものではない。どうしても止めなければならない」と主張した。
福島の事故の前にも、全国各地で反原発運動はあった。署名運動やデモが何度となく繰り返されてきたが、推進派の厚い壁を突き崩すことはできなかった。今回はこれまでとは違うのか。
内橋さんは「さまざまな運動は一過性に終わることが多かったが、今回はそうはいかない。(放射能の影響は)二十~三十年と続くからだ。いかに賢明で聡明な市民になっていくかが試されている」と指摘する。
全国の原発やその地域を取材で歩き続ける鎌田さんは「いま原発のある地域には、すべて反対運動があったが、膨大な金の力に負けてしまった。地域別に各個撃破され、全部つないで盛り返そうという力がなかった。政党や労働組合にも大胆な構想がなかった」と振り返り、こう力を込めた。
「今度は死に物狂いで頑張っていく。福島の事故後、若い人や女性が個人個人で立ち上がっている。そういう人たちと一緒にどうやっていくかが課題だ」
ホームページ「さよなら原発 NO NUKES」
http://www.peace-forum.com/no_nukes/
で署名用紙をダウンロードできる。フォーム送信でも受け付けている。問い合わせは、原水禁=電03(5289)8222。
『東京新聞』(2011/6/16【ニュースの追跡】)
各界の8人 署名呼び掛け
原発の著作も多いルポライターの鎌田慧さんらが15日、「脱原発」を求める1000万人の国会請願署名運動を始めた。9月19日には、東京・明治公園で5万人集会を予定する。東日本大震災から3カ月の今月11日には全国各地で大規模なデモや集会があった。福島第一原発事故の長期化を前に、脱原発のうねりはかつてない勢いで広がりつつある。(佐藤圭)
▼ 都内で9月 5万人集会
呼び掛け人は、鎌田さんのほか、作家の沢地久枝さん、大江健三郎さん、瀬戸内寂聴さん、辻井喬さん、落合恵子さん、経済評論家の内橋克人さん、ミュージシャンの坂本龍一さんの計八人。
原水爆禁止日本国民会議(原水禁)と原子力資料情報室、環境エネルギ1政策研究所の三団体でつくる実行委員会が支援する。
署名や集会では、原発の新規建設計画の中止や、全面停止した静岡県御前崎市の浜岡など既存原発の計画的廃炉、福井県敦賀市の高速増殖原型炉「もんじゅ」と青森県六ケ所村の使用済み核燃料再処理工場の廃止、再生可能エネルギーへの転換を要請する。
署名は震災から丸一年の来年三月十一日に、衆参両院議長と首相に提出する。
▼ 震災1年後国会に提出
十五日、都内で記者会見した鎌田さん、沢地さん、内橋さんは、脱原発への思いを語った。
沢地さんは「日本は被爆の歴史を背負っているのに、福島の事故を起こしてしまった。世界に対して恥ずかしい。今こそ行動に移す時だ。一千万人が原発は嫌だと署名すれば、いくらバカな政治家でも無視できない」と訴えた。
内橋さんは「原発は『合意なき国策』だ。市民の漠然とした不安を考慮しない。アメリカの技術をそのまま導入した原発は、地震や津波など日本固有の危機に耐えるシステムではない。人間の制御下に置けるものではない。どうしても止めなければならない」と主張した。
福島の事故の前にも、全国各地で反原発運動はあった。署名運動やデモが何度となく繰り返されてきたが、推進派の厚い壁を突き崩すことはできなかった。今回はこれまでとは違うのか。
内橋さんは「さまざまな運動は一過性に終わることが多かったが、今回はそうはいかない。(放射能の影響は)二十~三十年と続くからだ。いかに賢明で聡明な市民になっていくかが試されている」と指摘する。
全国の原発やその地域を取材で歩き続ける鎌田さんは「いま原発のある地域には、すべて反対運動があったが、膨大な金の力に負けてしまった。地域別に各個撃破され、全部つないで盛り返そうという力がなかった。政党や労働組合にも大胆な構想がなかった」と振り返り、こう力を込めた。
「今度は死に物狂いで頑張っていく。福島の事故後、若い人や女性が個人個人で立ち上がっている。そういう人たちと一緒にどうやっていくかが課題だ」
ホームページ「さよなら原発 NO NUKES」
http://www.peace-forum.com/no_nukes/
で署名用紙をダウンロードできる。フォーム送信でも受け付けている。問い合わせは、原水禁=電03(5289)8222。
『東京新聞』(2011/6/16【ニュースの追跡】)
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