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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

神奈川県君が代不起立個人情報保護裁判

2011年06月18日 | 日の丸・君が代関連ニュース
 =君が代不起立個人情報保護裁判=
 ◆ 横浜地裁6月20日(月)結審へ!!
 争点:氏名収集が思想信条情報にあたるか否か


 6月20日(月)最終口頭弁論(結審)
 15:30横浜地裁集合 15:40抽選 16:00開廷


 3月の証人尋問も終わり、本裁判もいよいよ6月20日に結審を迎えることになりました。
 証人尋問が、職務命令の実態把握のためとして行われたために、職務命令の有無が裁判の焦点になっているように思われがちですが、そうではありません。
 争点は条例6条であり、君が代斉唱時における不起立者の氏名収集が思想・信条情報にあたるか否かという点にあります。
 このことについては、すでに神奈川県個人情報保護審査会が「不起立者にその理由を問わないとしても、過去において日の丸・君が代が果たしてきた役割を踏まえた、一定の思想信条に基づく行為であることが推知できる」と判断しています。
 審議会も、思想信条情報であることを前提として、県が求めた6条の例外適用を「不適」としています。全国どこの裁判でも、おそらく不起立が思想信条に基づかない行為であるとは判断していないのではないでしょうか。
 つい最近、東京の君が代裁判において被処分者(169人)の処分を取り消せという原告逆転勝利判決が東京高裁から出されました(都の懲戒権乱用を認めた)。ここでも不起立について思想信条に基づく行為として判断されていますので紹介します。
 控訴人らの不起立行為等は自己の個人的利益や快楽の実現を目的としたものでもなく、職務怠慢や注意義務違反によるものでもなく、(中略)、生徒に対し正しい教育を行いたいなどという前記の通りの内容の歴史観ないし世界観又は信条及びこれに由来する社会生活上の信念等に基づく真摯な動機によるものであり、少なくとも控訴人らにとっては、やむにやまれぬ行動であったということができる。
 歴史的な理由から、現在でも「日の丸」及び「君が代」について、控訴人らと同様の歴史観ないし世界観を有する者は、国民の中に少なからず存在しているとみられ、控訴人らの歴史観等が、独善的なものであるとはいえない。また、それらとのかかわりにおいて、国歌斉唱に際して起立する行動に抵抗を覚える者もいると考えられ、(中略)起立する義務はないと考えたことにも、無理からぬところがある。
 (大橋判決。東京・処分取消訴訟高裁判決2011.3.10)


 支援する会
  共同代表 高島伸欣(琉球大学名誉教授,高島教科書訴訟)
       世取山洋介(新潟大学准教授,DCI日本支部事務局長)
  弁護団:岡田尚(団長)、阪田勝彦,鈴木健,井上泰,彦坂敏之,神原元 その他13名

 本裁判は6日20日に結審を迎えます。そこで、この間の経過、裁判での争点などを簡単にまとめておきます。
 ◇本裁判の求めるもの
 不起立者の氏名収集情報が神奈川県個人情報保護条例6条でいう「思想信条情報」の収集にあたるため、その収集情報の抹消と精神的な苦痛に対する損害賠償です。
 神奈川県個人情報保護条例第6条
 実施機関は、次に掲げる事項に関する個人情報を取り扱ってはならない。ただし、法令若しくは条例(以下「法令等」という。)の規定に基づいて取り扱うとき、犯罪の予防、鎮圧及び捜査、被疑者の逮捕、交通の取締りその他公共の安全と秩序の維持のために取り扱うとき、又はあらかじめ神奈川県個人情報保護審議会(以下「審議会」という)の意見を聴いた上で正当な事務若しくは事業の実施のために必要があると認めて取り扱う時は、この限りではない。
 (1)思想信条及び宗教(2)人種及び民族(3)犯罪歴(4)社会的差別の原因となる社会的身分
 2006年春に氏名収集された者のうち、16名が神奈川県個人情報保護審査会に異議申立をしました。それに対する審査会答申が出されました。
 ◇第1次審査会答申(2007.10.24)
 「不起立者にその理由を問わないとしても、過去において日の丸・君が代が果たしてきた役割を踏まえた、一定の思想信条に基づく行為であることが推知できる」とし、①氏名収集された情報は思想信条情報である ②もし、県が同様な情報を取り扱いたいならば、あらかじめ神奈川県個人情報保護審議会に意見を聴くこと、の2点を答申しました。
 これを受けて、県教委は氏名収集に至るまでの手続きが間違っていたとして、それまでの収集情報を破棄し、改めて条例6条のただし書き規定の適用(すなわり例外適用)を求めて審議会へ諮問したのです。
 このことは思想信条情報であることを認めた上での手続きだといえます。

 ◇審議会答申(2008.1.17)
 審議会は2007年11月8日、12月25日、2008年1月17日の計3回、この件について真剣な議論を重ねた結果、全会一致で県教委の諮問を「不適」とし、この決定を踏まえて最終的な職権行使の判断をするよう県教委に答申しました。
 ◇教育委員会、氏名収集継続決定(2008.2.4)
 メンバーもその役割も異なる2つの諮問機関から氏名収集「不適」とされたにもかかわらず、審査会や審議会の議論について検討、検証することなく、氏名収集の継続を決定してしまいました。
 このような県教委の暴走を止めるには裁判に訴えるしかないと考え、現在27名が原告となって裁判を闘っています。

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