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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

『産経』歪曲報道2連発(その3)

2017年07月23日 | 平和憲法
 ◆ 今回の『産経』は墓穴を掘った!
   皆さま   高嶋伸欣です


 <『産経』歪曲報道2連発>の(その3)では、17日のコラムで阿比留記者が展開した再利用「大誤報説」に反論する予定でしたが、その前に12日の「加戸氏発言 報じぬ朝毎」と題した記事で、『産経』が墓穴を掘ったのも同然である、という事実の指摘を先にすることにしました。
 1.すでに(その1)で明らかにしたように、『朝日』『毎日』共10日の国会での加戸氏の発言ついてまったく報道していないわけではありません。
 2 『産経』自身も、両紙の「詳報」の欄に加戸氏の発言が掲載されていることをを認めています
 3 けれども、その引用部分が『産経』の最も注目する部分ではないことと、「詳報」欄であって、通常記事(一般記事=阿比留記者の表現)で加戸発言に全く触れていないので、「加戸氏発言 報じぬ朝毎」という見出しにしているのだということです。
 4 一般論として、「詳報」欄であろうと、『産経』とは引用部分が同一でないにしても、『朝日』『毎日』両紙も「加戸氏発言」を「報じ」ているのですから、この見出しは明らかに事実歪曲、誤報です。
 これが<産経流>の歪曲、言いがかり報道の手法の一つです。

 5.しかもこの件は、これだけの話題では済まされないのです。

 6.『産経』は『読売』や『週刊文春』『正論』『WiLL!』などと共に『朝日』の「従軍慰安婦報道」叩きの急先鋒に立っていたことで知られています。
 7.現在では、そうした動きがほとんど止まっています。それは彼らが標的にした元朝日新聞記者の植村隆氏によって、『産経』『読売』の両紙も『朝日』とほぼ同様、ないしはそれ以上に裏付け不十分な報道を、『朝日』と同時またはそれ以前にやっていた事実を指摘されたためです。
 8.それは両紙の記者は植村氏批判の記事を書くつもりで、植村氏にインタビューを申し込み、植村氏が応じた時のことです。
 その席で、植村氏から「お宅の新聞も、私を今批判しているのと同じような、ないしはそれ以上に表現に問題のある記事を、私の記事より早く載せていますよね」という意味の指摘をされ、証拠となる記事のコピーを突きつけられています。
 9.その時の様子が、植村隆著『真実 私は「捏造記者」ではない』(岩波書店、2016年)で明らかにされています。
 ちなみに、両紙の記者とも、植村氏が出したコピーの記事を「初めて見る」旨の発言をし、しどろもどろになります。その時の記者の一人が阿比留記者だと、同書にはあります。
 10 ところでその後に、両紙はどうしたか。『読売』は、植村氏とのやり取りの継続中に一方的記事を掲載して、責任をうやむやにしたとのことです。
 『読売』の不道徳的な言動は、前川元次官の誹謗記事を垂れ流す以前からだったという一例です。
 11 『読売』に比較すると『産経』は幾分か良心的でした。植村氏のインタビューの抜粋をともかく紙面に掲載したのです(2015年8月4日)。けれども、『産経』側の落ち度を指摘された部分は除かれ、植村氏の取材姿勢のあら捜しに近いものでした。
 12 ただし、それだけでは、約1年間、植村氏をののしり続けてきた手前、『産経』自身の報道にも落ち度があったことを隠し通すのは、不都合と判断したようです。やがては、ことが広く知られ、隠していた点まで露見すれば、そこで問われる責任を増幅させることになるのは必至です。
 13 でもなるべく落ち度が明確になる扱いにはしたくない。さらに『産経』本紙上では扱いたくない
 14 そこで『産経』が採用した手法が、インタビューの全文をインターネットの『産経ニュース』に掲載するというものでした。
 15 2015年8月29日から9月7日まで10回に分けて、それは『元朝日新聞・植村隆氏インタビュー詳報』という題でアップされました。
 16、それは、テープ起こしされただけのもので、単調で退屈で、しかも10回に及ぶ分量でした。
 さらに、そこには植村氏に逆襲されて阿比留記者たちがたじたじとなった場面があるなどの説明は何もされていない「詳報」の形式なのです。全編を読み通す人はそれほど多くはないだろうと、『産経』側は予想したのではないでしょうか。
 16 ところが事態は全く逆の方向に進みます。ネット・ウォッチャーたちによってたまち注目され、「産経の失態を次々と暴露」「植村記者に論破され阿比留記者が赤っ恥」などと紹介されたのです(「LITERA」)。
 17.他方で『読売』は上記のように同様の失態がありながら知らぬふりを決め込んでいますから、『産経』はウェブサイトではあるにしろ、ともかく阿比留記者などが自社の失態を認めた事実が読み取れる「詳報」を掲載したことになります。
 18 その『産経』に対し植村氏は名誉棄損などで裁判を起こし、係争中です。
 『産経』がウェブサイトにインタビュウー全文を掲載したのも裁判対策の一環で、「自社に不利な情報、自社に不手際があった事実を読者に対して隠蔽はしていない」ことを示す証拠として、こうした形で公にしたとも考えられるのです。
 19.ところがです。ようやく本題です。
 今回の7月13日の「加戸氏発言 報じぬ朝毎」記事で、「詳報」欄での発言掲載では「報じ」たことにはならず、通常記事(一般記事)で扱っていなければ「報じ」たとはみなさない、という基準を『産経』が設けていることを示したのです。
 20 もうおわかりでしょう。
 それならば、上記のウェブサイトの「詳報」も同様に、『産経』の失態をとにもかくにも報道したのだ、との言い訳を通用させられないことになります。
 21 『産経』は、安倍政権へのすり寄りに汲々とし、窮地にある安倍首相の立場を忖度するあまり、自社の過去の報道について確認を怠っているだけでなく、裁判などで問われている責任をどのようにしてかわす手立てを講じているかということについてさえ、当事者の阿比留記者を含め、思い浮かべることができないほどの杜撰さであるというわけです。
 22 この点を植村氏との裁判で指摘された時、阿比留記者や『産経』はどのように釈明するのでしょうか。
 23 これが、「今回の『産経』は墓穴を掘った!」という話題です。

 以上 文責は高嶋伸欣です      拡散・転送は自由です。

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