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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

都人権条例は杉田水脈のLGBTヘイト発言に適用出来ないのか

2018年10月26日 | 平和憲法
 ◆ 五輪向け急ごしらえ 都人権条例に違和感 (東京新聞【ニュースの追跡】)
 二〇二〇年東京五輪・パラリンピックを控え、LGBTなど性的少数者への差別を禁じ、ヘイトスピーチなどの差別的な表現活動を規制する東京都の人権尊重条例が五日の都議会で成立した。人権問題の中で取り残されてきた性的少数者への差別解消をうたう点は評価されている。ただ、踏み込みの甘さなどに違和感を抱く声も尽きない。(中沢佳子)
 ◆ なぜ「ヘイト規制」<強>⇔「性的少数者の差別解消」<弱>

 「個人的には人権条例と呼ぶに値しないと思う」。性的少数者の人権に関する活動を展開するNPO法人「レインボー・アクション」代表理事兼事務局長の藤田裕喜さん(36)は切り捨てる。同法人は九月下旬、「都オリンピック条例の欺瞞(ぎまん)を暴く」と題した集会を開き、問題点を議論した。
 条例は五輪憲章にある人権尊重の理念浸透を目的にしているが、取り上げたのは性的少数者差別とヘイト問題だけ。
 藤田さんは人種障害などによる他の差別に言及がないことに違和感があるという。
 「性的少数者差別でも、具体的な対処に触れていない。今後定める基本計画に盛り込むというが、いつできるのか。都の本気度を疑う
 ニッセイ基礎研究所の土堤内(どてうち)昭雄主任研究員(家族社会学)も「性的少数者とヘイトという性質の異なる問題がセットにされており、しっくりこない。性的少数者の条文も理念にとどまり、基本計画を策定する熟度に至っていない」と生煮えを指摘する。
 そんな条例でも成立を目指した背景を「五輪開催都市には、受動喫煙防止など多くの条件が課される。差別解消もその一つ。都は性的少数者の対応に遅れはないとアピールしたいのだろう」とみる。
 確かに、性的少数者への差別解消はどの都市も取り組むべき問題だ。宝塚大の日高庸晴教授が全国の性的少数者約一万五千人に行った調査によると、58・2%が学校でいじめに遭い、職場や学校で差別的発言を受けた人は71・7%
 同性愛者と公表している石川大我・豊島区議(44)は「LGBT差別の解消が盛り込まれたのは進歩。都の責務に区市町村の取り組みへの協力も書かれ、波及効果が期待できる」と評価する。
 ただ、今回の条例のうちヘイト規制の部分の条文は、表現の自由の侵害や恣意(しい)的運用の恐れもはらむ。
 知事の定めた基準に沿って都の公園や施設の利用を制限し、ネット上の文章や動画の削除要請もできると明記。
 差別的かどうかは、知事が委嘱する有識者の審査会で議論するとしている。

 市民グループ「集会・デモくらい自由にやらせろ!実行委員会」の渥美昌純さん(45)は「相当踏み込んだ内容。条文数も性的少数者の倍以上だ」と指摘する。
 渥美さんが都に条例制定の経緯を情報公開請求したところ、五輪を念頭に今回の議会で成立させるスケジュールを定め、作業を急いだことが判明。
 専門家に「LGBTとヘイトを混在させるのは、異質な課題が入っているようで違和感がある」と指摘されていたことも分かった。
 渥美さんは「五輪に間に合わせ、権力側に批判的な活動を規制するため、反対されにくい性的少数者差別解消と抱き合わせにしたのでは」と疑う。
 金沢大の谷口洋幸准教授(国際人権法)は「性的少数者について、差別の申立先や対処のシステムに触れていない。条例に明記されないと、システムをつくらなくてもいいという理由になりかねない」と危ぶむ。
 都は基本計画の策定を五輪開催までにと大まかに示しているが、「原案を作って意見公募し、中身のある計画に仕上げ、申し立てを処理する組織も設けるとなると、五輪までには厳しい」として、こうくぎを刺す。
 「差別解消に実効性を持たせるなら、対処のシステムをしっかり構築し、実施状況を定期的に監視する仕組みが必要だ」
『東京新聞』(2018年10月21日【ニュースの追跡】)

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