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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

「ウクライナ=善、ロシア=悪」の構図の報道ばかり

2022年03月16日 | 平和憲法
  =たんぽぽ舎です。【TMM:No4430】「メディア改革」連載第92回=
 ◆ ロシア“悪玉論”一色報道の大問題
浅野健一(アカデミックジャーナリスト)

 ◆ 日本自衛隊の防弾チッキ供与は違憲

◎ 前回に書いたように、私はウクライナ共和国に2013年と2019年に行ったことがある。「食品と暮らしの安全基金」(小若順一代表)のチェルノブイリ原発事故調査の旅だった。ロシア軍のそのウクライナへの侵攻から2週間半たったが、核戦争の危機が続いている。
 両国の停戦協議は難航し、3月10日の外相会談でも進展はなかった。小若氏らは3月2日、現地の人たちの声を世界に届けるために安全基金のFacebook上に「ウクライナ通信」グループを設けた。
https://www.facebook.com/groups/ukjpsupport
◎ 日本のメディアは、欧米のメディアが制作した子どもや女性の被害の映像を流し、日本の人民の反ロ感情は頂点に達している。
 ロシアのプーチン大統領を悪魔のように報じ、「精神疾患」「パーキンソン病」という無責任な見方まで公然と語られている。
 何でもありだ。
 報道各社はロシアの「暴挙」「蛮行」とまで表現しているが、本当にロシアとプーチン氏だけが悪いだろうか。
 伊勢崎賢治東京外国語大学教授は、ウクライナのゼレンスキー大統領にも責任があると指摘する。
 <国民に武器を与え、火炎瓶の作り方まで教えて「徹底抗戦」を呼び掛けたことは、市民をロシア軍に立ち向かわせるということで、これは一番やってはいけないこと。市民に呼び掛けるのなら、非暴力の抵抗運動だ>
https://www.chosyu-journal.jp/kokusai/22870
https://www.youtube.com/watch?v=HhLemFXw74Y
 ◆ NHK出演「専門家」は御用学者ばかり

◎ 米国と欧州諸国が同国に武器を供与。日本が紛争当事国のウクライナに防弾チョッキなどの自衛隊装備品を運んだのは明らかな憲法違反だ。
 しかし、日本のテレビと新聞は、「ウクライナ=善、ロシア=悪」の構図で一貫している。
 NHKテレビは2月24日の「ニュース7」に、下斗米伸夫法政大学法学部名誉教授、がスタジオ出演した。ロシア政治研究の第一人者である下斗米氏はアナウンサーの問いに、「ウクライナのゼレンスキー大統領は政治経験に乏しく、適切な政治判断ができない。米国・NATO諸国などとの関係、ロシアとの関係で、的確な判断ができず国を混乱させ、今回のロシアの介入を招いた」などとコメントした。
◎ 私が見た限り、その後、下斗米氏はNHKニュースに出演していない。NHKのウェブサイトでは、下斗米氏の解説は文字になっていない。
 ウクライナ情勢を巡ってNHKニュースでは、防衛省防衛研究所の高橋杉雄室長・兵頭慎治政策研究部長らが解説している。他には、廣瀬陽子慶應義塾大学総合政策学部教授、東野篤子筑波大学准教授、明海大学教授で日本国際問題研究所主任研究員の小谷哲男氏らが出演する。
◎ 私は3月8日、NHK広報局広報部へ
 1.下斗米氏がウクライナ侵攻報道で、NHKでコメントしたのは2月24日だけか
 2.日本政府内の研究所の専門家が識者として解説することは、公共放送として不適切ではないか
 3.出演した有識者、専門家の氏名を教えてほしい-という取材依頼書を送った。

 NHK広報局から3月9日、以下のような回答があった。
<有識者の方のコメントの内容や出演回数、それに出演実績の有無などの問い合わせについては、回答を控えさせていただきます。NHKの報道内容については、テレビやラジオでの放送、NHK NEWSWEB、NHKプラスなどで確認をお願いできればと思います。
 なお、ウクライナ情勢をめぐって、NHKでは、有識者の方に出演をお願いして、侵攻の背景などを解説していただいています。出演者選びの過程についての詳細は控えますが、出演をお願いする有識者は、それぞれの方の専門性などを踏まえて検討しています>
 ◆ 1秒でも早い停戦実現に国際社会は努力を

◎ これでは、回答になっていない。
 私は11日、FBロシアに、ウクライナ戦争の実相を見るために、必見のネット情報を紹介した。
https://www.facebook.com/profile.php?id=100022241222173
 また、朝鮮新報(14日付)に連載「時事エッセー・沈黙の声」の第21回として、「米国の覇権主義を不問に」などと題して書いた。ブログにアップした。
http://blog.livedoor.jp/asano_kenichi/archives/28861423.html
 ソ連崩壊後の米国とNATOの「東方拡大」の歴史をみるには、オリバー・ストーン監督のドキュメンタリー映画「ウクライナ・オン・ファイヤー」がいい。
https://www.chosyu-journal.jp/review/22893
◎ 日本の政府とキシャクラブメディアは「国際社会」と連帯すると言うが、この国際社会に、国連総会決議に不賛成の52カ国(世界の人口の過半数)も含まれる。
 上述の伊勢崎氏は「市民の犠牲をこれ以上増やさないためには戦争の原因に目をこらし、一時間でも早い停戦を実現するしかない。『反プーチン』に熱狂しているヒマはない」と強調している。
 テレビは伊勢崎賢治氏を出演させるべきだ。


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