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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

「高等教育無償化」なんて本気でやるわけない自民党

2017年05月18日 | こども危機
 ◆ 教育無償化はウソ
   自民が大学授業料“出世払い”提言のア然
(日刊ゲンダイ)


 安倍首相「憲法改正で高等教育を無償化する」と唐突に言い出したが、一方で、自民党の教育再生実行本部高等教育に関して別の政策を近く提言するというから訳が分からない。
 教育再生実行本部がまとめている案は、大学の授業料を国が一時的に肩代わりして、支払いを卒業後に先送りできる新制度をつくるというもの。
 日本学生支援機構の貸与型奨学金とどこが違うのかと思うが、機構の既存制度が月額3万~12万円程度であるのに対し、自民党案は「在学中は授業料を国が立て替え、学生は払わない」という。返済も機構では、貸与終了から7カ月後に始まるが、自民党案では、卒業後、収入が一定額に達するまで猶予する。“出世払い”というやつだ。
 いずれにしても返済義務があり、安倍首相の言う「無償」ではない

 自民党内では無償化の財源をどうするのかなど、否定的な意見が根強いからだ。元来、自民党は教育無償化に消極的で、民主党政権時代の高校無償化を「バラマキ」だと批判、政権奪還後に所得制限を設けたほどだから、「高等教育無償化」なんて本気でやるわけないのだ。
 ◆ 「前提が間違っている」
 加えて、自民党案は現実から乖離した“時代遅れ”の政策だ。
 簡単に「出世払い」というが、年齢を重ねても給料がほとんど上がらないのが今の現実。日本学生支援機構の奨学金を返済できない事例の激増が社会問題化しているのに、若年世代の借金をさらに増やすつもりなのか。
 サラリーマンは給与天引きで返済という有無を言わせぬ制度でもある。

 経済評論家の斎藤満氏がこう言う。
 「出世して給料が上がるという前提が間違っています。今や大卒の4割が非正規雇用のうえ、正社員になれたとしても昇給する保証はない。実際、正社員の所定内給与は上がっていません。返済時期を猶予したところで、いつ返せるようになるかもわかりませんよ。結局、ローンなのですから、結婚できず、子どもも持てない人が増え、少子高齢化が加速するばかりです。教育国債の話もそうですが、政府や自民党の『教育』に対する考え方は、あまりに場当たりでご都合主義です。憲法改正のためとか、教育費のためだからと財政赤字を正当化するとか、『教育』を政治の材料に利用している。本気で学生のことを考えてなどいないのでしょう
 ホント、ろくでもない政党だ。

『日刊ゲンダイ』(2017年5月16日)
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/205449
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