◆ 繰り返される違法捜査 奈良女大生を逮捕
奈良県警の公安は七月二六日、奈良女子大学自治会委員長(Aさん)を、「他人に譲渡する目的で預金通帳を作った」として「詐欺容疑」で逮捕し、合計六カ所を家宅捜索した。
ところが実際にこの通帳は、Aさんが参加していた住基ネット反対の運動団体の連絡先に使用していた携帯電話の支払いのために作ったもの。同団体以外の第三者に「譲渡」した事実はなく、「他人に譲渡する目的」という名目自体が成り立たない。しかも通帳は、一年前に解約している。
このため、作家の森村誠一氏や目取真俊氏、ジャーナリストの斎藤貴男氏ら学者・文化人が、「公安による政治弾圧のためのでっち上げ逮捕だ」として、抗議の談話を発表した。
今回、公安はAさんに事情聴取すら求めないままいきなり逮捕。しかも容疑とは何も関係ないAさんの友人宅や同大学の自治会室・サークル室まで家宅捜索するなど、違法捜査は明らかだ。Aさんは七月二七日に一〇日間の勾留延長請求が認められ、八月二日現在、まだ天理署に留置されている。
奈良県警公安は一昨年にも同大学自治会の別の役員を、「下宿を賃貸契約書と違う目的で使用している」などという「詐欺容疑」で逮捕。これに対して奈良弁護士会は昨年三月、逮捕は「自治会の政治的活動を抑圧する目的」であり、「重大な人権侵害」だとする警告文を県警に送付しており、繰り返される公安の違法捜査が批判を呼んでいる。
成澤宗男・編集部
『週刊金曜日』(2010/8/6【金曜アンテナ】)
http://www.kinyobi.co.jp/backnum/antenna/antenna_kiji.php?no=1283
本誌および弊社のウェブサイトに掲載されている記事、写真、イラストなど文字・画等のコンテンツの著作権は、『週刊金曜日』および原著作者にあります。
奈良県警の公安は七月二六日、奈良女子大学自治会委員長(Aさん)を、「他人に譲渡する目的で預金通帳を作った」として「詐欺容疑」で逮捕し、合計六カ所を家宅捜索した。
ところが実際にこの通帳は、Aさんが参加していた住基ネット反対の運動団体の連絡先に使用していた携帯電話の支払いのために作ったもの。同団体以外の第三者に「譲渡」した事実はなく、「他人に譲渡する目的」という名目自体が成り立たない。しかも通帳は、一年前に解約している。
このため、作家の森村誠一氏や目取真俊氏、ジャーナリストの斎藤貴男氏ら学者・文化人が、「公安による政治弾圧のためのでっち上げ逮捕だ」として、抗議の談話を発表した。
今回、公安はAさんに事情聴取すら求めないままいきなり逮捕。しかも容疑とは何も関係ないAさんの友人宅や同大学の自治会室・サークル室まで家宅捜索するなど、違法捜査は明らかだ。Aさんは七月二七日に一〇日間の勾留延長請求が認められ、八月二日現在、まだ天理署に留置されている。
奈良県警公安は一昨年にも同大学自治会の別の役員を、「下宿を賃貸契約書と違う目的で使用している」などという「詐欺容疑」で逮捕。これに対して奈良弁護士会は昨年三月、逮捕は「自治会の政治的活動を抑圧する目的」であり、「重大な人権侵害」だとする警告文を県警に送付しており、繰り返される公安の違法捜査が批判を呼んでいる。
成澤宗男・編集部
『週刊金曜日』(2010/8/6【金曜アンテナ】)
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