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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

冤罪:絶望的な不条理の世界を生き抜く四人に報いたい

2020年07月23日 | 平和憲法
 ◆ ひで子と早智子 (東京新聞【本音のコラム】)
鎌田 慧(かまたさとし・ルポライター)

 身に覚えのない罪で死刑を宣告される。声を限りに訴えても、裁判所は-聴く耳をもたない。
 ほかならぬ日本の現実だ。

 狭山事件の石川一雄さん(81)は、死刑から無期懲役に減刑された。しかし、事件から五十七年たってなお、やり直し裁判さえ認められない
 袴田巌さん(84)も逮捕から五十四年たった。まだ死刑囚のままだ。
 「これ以上、拘置を続けるのは耐え難いほど正義に反する」と静岡地裁(村山浩昭裁判長)は六年前、死刑執行を停止し、仮釈放を認めた。
 ところが東京高裁はやり直し裁判を拒否、冷酷である。

 十八日、NHKが放映したETV特集『ひで子と早智子の歳月』は、二人の冤罪(えんざい)者の姉と妻、袴田ひで子さん石川早智子さんの生活と友情を描いたドキュメンタリーだ。
 ひで子さんが、自宅のある浜松から東京拘置所へ面会にいっても、巌さんは「俺には姉はいない」と拒絶した、ということはよく聞いていた。最高裁で死刑が確定したあと、執行される恐怖から、拘禁性障害。現実世界から乖離している。
 ようやく二人で暮らせるようになって、ひで子さんはよく笑うようになった。意識が飛んでいる巌さんの日常生活が笑いを生み出している。
 無実を信じて結婚した早智子さんよく笑う女性だ。
 絶望的な、不条理の世界を生き抜き、無罪宣告を求める四人に報いたい。(ルポライター)
『東京新聞』(2020年7月21日【本音のコラム】)

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