◆ 小学校養護教諭分限免職撤回裁判 第17回口頭弁論報告
小学校養護教諭の指導力不足教員研修不当分限免職撤回裁判は、証人尋問に差し掛かりました。
第17回口頭弁論は、その1回目で、丸一日かけて4人の証人尋問が行われました。
その様子を報告します。
(1)法廷の概略
10月4日(火)東京地裁611法廷
裁判官:高瀬保守、岡田毅、山田悠一郞
原告席:代理人2人+原告1人
被告席:代理人5人
傍聴席:午前の部開廷時22人(内3人は被告側と思われる)
午後の部開廷時21人(内2人は被告側と思われる)
●午前の部 10:00~12:00
○I校長
・主尋問:A代理人(20分) ・反対尋問:萩尾代理人(35分) ・裁判官尋問:山田・高瀬(10分)
○Ka副校長
・主尋問:A代理人(25分) ・反対尋問:萩尾代理人(20分:昼休み中断)
<昼休み>
●午後の部 13:15~16:30
○Ka副校長(続き)
・反対尋問:萩尾・萱野代理人(20分) ・裁判官尋問:山田・高瀬(10分)
○T研修センター教授
・主尋問:A代理人(30分) ・反対尋問:萱野代理人(40分) ・裁判官尋問:高瀬(5分)
<休憩>
○Ku人事部管理主事
・主尋問:A代理人(25分) ・反対尋問:萱野代理人(40分) ・裁判官尋問:山田・高瀬(10分)
(2)尋問の様子
●学校関係者(I校長・Ka副校長)
厚かましく太々しい校長と、いかにも要領が良く世渡り上手そうな副校長(あくまで個人の感想です)。
主尋問は、原告Wさんがいかに仕事をしなかったか、揚げ足を取るような些細なことを取り上げて、聞くに堪えないほとんど原告に対する胸くそ悪い人格攻撃になっていた。
反対尋問では、事実認定の基礎になる「職務実績記録簿」とその後の「研修記録」等の多数の不一致を一つ一つ指摘し、指導力不足認定の杜撰さ、根拠の曖昧さを浮き彫りにした。
また一見「不適切」とされる行動を取った「理由」を確かめたことがあるか、と聞かれて副校長は1回も聞いたことがなかったと答え、指導の適切性に疑問が投げかけられた。
裁判官尋問で、Wさん免職後の後任人事について聞かれた時、管理職は答えを言い淀んでいた。
想定外だったのだろう。「加配解消」というもう一つの、或いはもしかしたら一番の「ねらい」が垣間見えた瞬間だった。
●都教委関係者(Taセンター教授・Ku人事部管理主事)
センターのTa教授は、証拠資料によれば、最終模擬授業の後の「協議会」で、「本当に当初より努力をする姿勢が見られた」などと改善を認めていたはずだった。
主尋問では、記述の意味を問われて、研修の最後には誰にでも「ねぎらい」の言葉をかけるもので、あたかもリップサービスであったかのように逃げを打っていた。
反対尋問では、やはりその点を突いて免職は間違いではなかったかと迫ったが、記載してある内容は認めたものの、自分には採否の権限はないと、逃げていた。
Ku主事に対しては、制度が「公正中立」なものであるかどうか、「判定会」「審査会」の構成や人選に迫った。
4名の「有識者」が近藤精一元指導部長ら、皆都教委の息のかかった人物であることが明かされると、傍聴席がどよめいた。
また、委員の誰一人として研修中の原告の授業を見学したり、面談もしていない不備も明るみに出た。
この制度は、教員の指導力を向上をめざすものではなく、はじめから教員を辞めるように追い込んでいくものであることが明らかになってきている。
渡邉さんの復職を勝ち取るのはもちろん、指導力不足教員研修制度そのものの廃止も視野に入れていきたいものである。
次回は来週、
■10月11日(火)13:15~ 東京地裁611法廷
○Mセンター指導主事(主尋問:30分、反対尋問40分)、
○原告本人(主尋問:60分、反対尋問60分)
傍聴席を埋め尽くし、原告と弁護団を応援しましょう。
(支援者連絡網管理人H)
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