★ なぜいじめが起きるのか、都教委こそが考え論議すべき
今日の公開議題は報告「高校生いじめ防止協議会について」。
非公開議題には議案、報告ともに「教員等の懲戒処分」がありました。
「子供(ママ)の声を施策に反映」させるとした「高校生いじめ防止協議会」。
昨年度から始めた企画で高校生委員の任期は1年。今年度のその報告が高校生委員(対面9人・オンライン人)の参加で11月2日に都庁で行なわれたとのことです。
高校生委員10人の在籍校6校でいじめアンケートを実施したところ、
〈いじめられた経験がある:389人、不快なことをされたことがある:680人、まったくない:1384人、その他46人〉
〈「悩みがあった時にスクールカウンセラーと相談したいですか」は、「いいえ」が89%。「相談したい」と答えた人はいじめの経験がある人が多く、スクールカウンセラーが貴重な存在となっている〉
等のこと。この数字から見れば、いじめが特別のことではなく、広くまん延していることがわかります。
アンケート結果を踏まえて高校生いじめ防止協議会は、①自分たちがすべきこと ②学校で行なってほしいこと ③社会にお願いしたいことを検討。
①では、〈いじめは自分たちの問題という当事者意識を持つ〉〈いじめを許さないという雰囲気をつくる〉。
②では、〈グループワークの方法の工夫等、授業を改善する〉〈生徒主体の行事を増やす〉〈カウンセリングルームの開放や環境を整備する〉。
③では、〈生徒が主体的となる教育活動を推進する〉〈カウンセリングを電子予約システムにする〉等を挙げ、これらの提案を都教委に提出したとのことです。
この提案を受けて都教委は今後の取組として、
〈いじめ総合対策第3次の策定(授業改善、生徒主体の行事・教育活動)〉
〈『子供版「いじめ総合対策」』の作成〉
〈高校生いじめ防止協議会の継続実施〉
を挙げています。
「子供の声を施策に反映」させると言えば聞こえはいいですが、都教委はいじめ防止について何も考えていないということでもあります。
教育委員や事務方がなぜいじめが起きるかを論議した、などという報告が定例会で報告されたことは未だかつてありません。
また、「重大ないじめ」が起きた際に、学校・教員側はいつもいつも「いじめに気づかなかった」と言いますが、いじめに気づかないはずはありません。自身の業績評価に差し障りがあるから気づかないことにしただろうに、都教委・教育委員からそうした発言を聞いたこともありません。
都教委・教育委員の仕事放棄です。
方や、いじめ防止の提言として高校生委員が「授業改善」「生徒主体の行事」を、と提案するように、生徒たちは生徒の力を発揮できる学校にしたい、したらいじめ防止になる、と見ています。
高校生委員の提案はまっとうです。
では、いじめ防止の実現は、どうしたらよいか?
都教委が教員の管理支配を止め、決定権を学校・教員に戻すこと。
「君が代」不起立処分や業績評価、中間管理職制度等をやめ、「教育の自由」を学校・教員に保障することです。
教員たちが子どもたちの声を聴き教育活動を行えば、子どもたちは活動の居場所ができ学校生活が楽しくなり、いじめには走りません。
高校生に限らず、子どものいじめ発生は文部行政の施策が間違っているからであることに都教委・教育委員は気づいてほしい。気づくべきです。
教員の管理支配をやめたなら、教員志望者も増えること、間違いありません。
『レイバーネット日本』(2024-11-29)
http://www.labornetjp.org/news/2024/1128nezu
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