◆ 未来への責任 (東京新聞【本音のコラム】)
地震大国であるにもかかわらず原発54基、ふげん、もんじゅ、使用済み核燃料再処理工場など日本列島に並べ建て、建設中がまだ3基。
自然と人間に大打撃を与えた大事故を発生させても誰も責任取ろうとしない「原発無責任国家」。
原発立地地域に逃げ場がないと、水戸地裁が東海第二運転差し止め命令。脱原発への号砲となろう。
原発は10万年後にも厄災がおよぶ、出口なしの錯誤だ。破壊されたフクシマ3基の燃料デブリは880トン。いつ取り出せるか分からない。
「使用済み核燃料は再処理する」というが、六ケ所村の工場の運転は2008年に事故で停止、復旧の見通しはまったくない。
結局、核廃棄物の最終処分場の候補地として、北海道の寿都町と神恵内村が暫定的に挙げられている。
いくつかの候補地を示す陽動作戦は、推進側の常套手段。反対派の当面の運動課題はとにかく原発廃炉だ。が、その後にも責任がある。
地球科学者で京大元学長の尾池和夫さんは、「核のゴミ」を「人類最大の負の遺産」といい、南鳥島への「格納」を提案。本州から1800キロ、面積1.5平方キロ、の小島だ。
マグマ活動が完全に終わっており、「世界でも最も安定した海洋プレート上にある日本国土」「唯一の期待できる選択」との折り紙付き(学士会会報、20年3月)。
政府がこの事実を知らないはずはない。
『東京新聞』(2021年4月6日【本音のコラム】)
鎌田 慧(かまたさとし・ルポライター)
地震大国であるにもかかわらず原発54基、ふげん、もんじゅ、使用済み核燃料再処理工場など日本列島に並べ建て、建設中がまだ3基。
自然と人間に大打撃を与えた大事故を発生させても誰も責任取ろうとしない「原発無責任国家」。
原発立地地域に逃げ場がないと、水戸地裁が東海第二運転差し止め命令。脱原発への号砲となろう。
原発は10万年後にも厄災がおよぶ、出口なしの錯誤だ。破壊されたフクシマ3基の燃料デブリは880トン。いつ取り出せるか分からない。
「使用済み核燃料は再処理する」というが、六ケ所村の工場の運転は2008年に事故で停止、復旧の見通しはまったくない。
結局、核廃棄物の最終処分場の候補地として、北海道の寿都町と神恵内村が暫定的に挙げられている。
いくつかの候補地を示す陽動作戦は、推進側の常套手段。反対派の当面の運動課題はとにかく原発廃炉だ。が、その後にも責任がある。
地球科学者で京大元学長の尾池和夫さんは、「核のゴミ」を「人類最大の負の遺産」といい、南鳥島への「格納」を提案。本州から1800キロ、面積1.5平方キロ、の小島だ。
マグマ活動が完全に終わっており、「世界でも最も安定した海洋プレート上にある日本国土」「唯一の期待できる選択」との折り紙付き(学士会会報、20年3月)。
政府がこの事実を知らないはずはない。
『東京新聞』(2021年4月6日【本音のコラム】)
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