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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

エリートか非正規労働者になるための「資質・能力」を育成する次期学習指導要領

2016年10月27日 | こども危機
  《教育労働者全国通信から》
 ■ 次期学習指導要領を斬る
   ~国家・資本のための教育拒否し、子ども、保護者・労働者の団結で未来を切り開こう!
神奈川労組交流センター三浦半島教育労働者部会

 ◎高校版道徳=「公共」が必修科目に
 9月9日、文部科学省の中央教育審議会教育課程部会は「次期学習指導要領等に向けたこれまでの審議のまとめ」を公表しました。
 2006年教基法改悪以後、学習指導要領の全面的な改訂は初めてです。これは改悪教育基本法を現場に貫徹し、切迫する朝鮮侵略戦争のために労働運動解体を全面化する攻撃です。
 ■ 戦後教育の原理的転換 
 高校の次期学習指導要領では、高校版道徳として必修科目「公共」が新設され、戦後教育を原理的に転換し、歴史修正主義による侵略戦争の正当化、「愛国心」、排外主義、戦争教育を全面化させる改訂が行われようとしています。
 昨年3月に教科化され、小学校18年度、中学校19年度実施が予定されている「道徳」と一体です。そして、道徳の目標に「自己の生き方について考えを深め」ることを加え、「道徳的実践」の強制に一層踏み込んでいます。
 ■ 政府・財界の絶望的危機 
 今次改訂のキーワードは「社会に開かれた教育課程」です。「審議のまとめ」の冒頭から「将来の変化を予測することが困難な時代」という、政府・財界の危機感がむき出しにされています。
 「困難な時代」の内容は、
  ①生産年齢人口が総人口の約58%にまで減少し、
  ②世界のGDPに占める日本の割合は、現在の5・8%から3・4%にまで低下し、
  ③日本の国際的な存在感の低下も懸念されている、というものです。
 資本にとって、この現実は絶望ではありませんか! 確かに、福祉・医療、教育の民営化による内需は飽和し、原発・鉄道輸出も黒星続きです。安倍は「死の商人」となり果てました。
 だからこそ、次期学習指導要領の「未来の創り手となるために必要な資質・能力」(「次期 指導要領改訂の方向性」)とは、日本経済を挽回させるグローバルエリートと、一方で、社会保障を切り捨てられても、首を切られても、それを受け入れ、"自己責任"で死ぬまで再雇用を繰り返す労働者の「生き方」のことです。
 次期学習指導要領の本質は、経済的凋落を挽回するために、資本に従属する労働者の「生き方」を、今以上に強制することです。こうした資本主義のもとでの、資本と教育の関係を鮮明にする必要があります。
 ■ 資本の延命に手を貸すな
 「持続可能な開発教育(ESD)」「インクルーシブ教育」「アクティブ・ラーニング」などが取り入れられていることを評価する人々がいます。しかし、これは間違いです。
 「能動性」「主体性」「共生」などがうたわれていますが、これらはあくまで政府・財界の価値観や目的に沿ったものです。そこでは、真理や正義の追究、社会変革は「過激」というレッテルで封印されます
 そもそも、環境問題・ゴミ問題、エネルギー問題などの原因は資本主義ではありませんか! 資本の金儲けのためにアジア・アフリカなどの文化や環境を、どれだけ破壊してきたのか。国内でも資本の儲けのために、どれだけの労働者が命を奪われ続けているのか。資本主義のつけを労働者に押し付けるな!
 こうした問題の本質を覆い隠すための「教育」、資本の生き残りに、私たちは手を貸すことはできません。
 ■ チーム学校で支配強化
 そして指導要領改訂は「アクティブ・ラーニング」で「指導方法」にまで踏み込んだり、「チーム学校」や研修強化を推進しています。これは、学校を職能的統一性や専門性によって支配し、職場の労働者的団結を解体するのが目的です。
 中央教育審議会委員の桜井よしこは「教える側の専門性、昔の師範学校ですね、さっき先生は労働者か先生かという御質問がありましたが、やはり労働者であってはいけないと思うのです」(第90回中教審総会、14年3月28日)と発言しました。今こそ労働者の団結の力を示す時です。
 ■ 民間教育産業が次々参入
 また、指導要領改訂は民間教育資本の参入を推し進めます。
 9月29日、全国学力学習状況調査の結果が発表されました。問題は、小学校の調査委託は、07年実施以来、10年間も「ベネッセコーポレーション」が落札していることです。今年の委託費は小学校だけで23億7060万円。まさに教育の民営化です。
 東京足立区教委の新任教員研修に大手学習塾「早稲田アカデミー」から講師を招くことをはじめ、「英会話イーオン」、ICT教育やアクティブラーニングの「ベネッセコーポレーション」のアドバイス事業など、文科省・教委は民間教育産業の導入を拡大しています。
 さらに、「コミュニティースクール」化と一体でサポート・ティーチャー、教材作成支援、ICT関連支援、補助教材WEBサービスなど、民間教育産業導入が激増しています。
 こんなことに税金を使わないで教職員の数を増やせ!
 教育の民営化反対!
 資本のための教育を拒否し、子ども、保護者・労働者と団結して労働者の未来を切り開こう!
 横須賀、葉山で進められている学校給食のセンター化・民間委託化を阻止しよう!

 ■ 腐敗と屈服の日教組幹部を打倒し、職場から朝鮮侵略戦争を阻止しよう!
 もう、だまされるのはやめよう!
 私たちは資本の論理から自由だ!
 労働者として声を上げるのは今だ!
 労働者の団結こそ命だ!
 腐敗と屈服の日教組幹部を打倒し、韓国の労働者と団結し、朝鮮侵略戦争を絶対に止めよう!
『教育労働者全国通信 第77号』(2016年10月15日)

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