語学研修では通常のコースとテクニカル・コースと呼ばれるプレゼンテーションを中心とした二種類の研修を受講する。この二ヶ月間で、高校3年間で履修する英語単位量にほぼ相当するボリュームらしい。ただ、通常クラスに関しては自分がこの二ヶ月でどの程度上達したのか、あまり自覚できない。おそらく、基本的な事柄をおさらいした事と、間違いをびしびし指摘されることで、いわば語学の肥料を撒いたようなものなのだろう。これは、直接すぐに効果が現れるのではなく、これから二年間任国で生活する中で、語学力が向上するための元となるような気がする。
それに対し、プレゼン・コースは直接的な効果があった。このコースが始まる前は、30年間のサラリーマン生活で、さんざんプレゼンはやったつもりだったので、何をいまさらという気持ちは正直ありました。ところが、駒ヶ根に来て結構目からウロコが落ちることが多く、ここでもそれがポトリと落ちた。イギリス人の若い講師が一生懸命プレゼンのテクニックを教えてくれるので半信半疑、試して見ると、なるほど、という事が多々有った。例えば、トランジション; 英語でパワーポイントのページ切り替え時に”To start with...”とか”As a final thought..."とかの定型文で繋ぐと英語のプレゼンらしい雰囲気がグッと増す。また、実際に使うと効果的なのがインタラクティブ・コミュニケーションで、途中でちょっと指名してコチラから質問するとか、問題を全員で考えるとかを行うことで一方的な情報の流れではなく聞き手を話しに巻き込むことが出来る。あと、その効果でもっとも感心したのは黒板の使い方で、パワーポイントでの説明の合間に黒板に重要な式とか、技術用語を手書きで書く事で、聞き手の脳みそを効果的にリフレッシュすることが出来ることを知った。これらは、是非ブータンの学生相手に試してみようと思います。
このプレゼン・スキル講座を受講した上で、我々が午後に受講している日本語でのレクチャーを見てみると、日本人は本当にプレゼンが下手だと言うことがよく解る。とにかく、だらだらと二時間、自分のペースで話を続けたり、何を言いたいのか良く解らない写真を延々と見せたり、まったく素晴らしい反面教師達である。正直言って、7割以上の講師の皆さんには、このテクニカルコースを真剣に受講されることをお勧めしたいものです。
という事で、あと一週間で実質的な訓練は終了します。なんとか残り二回の試験を潜り抜けて無事除隊といきたいものです。