その時・・・・
ふたりの周りが暗くなって
不気味な風が森を通り抜けた
妖精たちは それを察知して
不安な顔をして
大樹の陰に逃げていった
やがて
ふたりの目の前に
ドス黒い暗黒想念の煙
が現れた
その煙の中から
前に天使が戦った悪魔と
白魔女が一緒に魔法の研究をした
黒魔女が現れた
おやおや 落ちこぼれ同士
仲がよいのう~
そう 言って
悪魔は不気味に笑いながら
「 失望の斧 」 と 「 疑いの毒矢 」 を
ふたつ同時に 白魔女めがけて打ち込んだ
とっさに天使は白魔女の前に出て
その斧と毒矢を自分の体で受け止めて
白魔女を守った
え~っ いきなりダブル攻撃かよぉ~
と 天使は言ったが
失望と疑いの毒が天使の心を侵し
天使は白魔女を疑い始めた
天使は 自分の心の中の
失望と疑いのこころ と戦って苦しんでいた
相変わらず 自己犠牲の強い
愚かなヤツよのお~
悪魔は天使をあざ笑った
そのとき 白魔女は
天使の後ろで天使と ともに戦うべく
最強の魔法陣 「 太陽の時季 ( とき ) 」
描こうとしていた
「 太陽の時季 ( とき ) 」・・・・
正義を象徴する降魔の五芒星
愛を象徴する太陽の光
それに 黄緑の癒しの光
それらを かたどった最強の魔法陣
だが
白魔女はそれを描くのに手間取っていた
まだ こころが傷ついていて
描く気力がなかったのだ
しかし 悪魔の攻撃を受けて
白魔女を守りながら 失望と疑いの心と戦っている
天使を見て腹をくくった
そして 白魔女は天使にいった
私 絶対に逃げないから・・・・
私 絶対にあなたと一緒に戦うから・・・・
私 私の魔法のベストを出すから・・・・
だから 私を信じて!
私は絶対に
あなたを独りにしない!
それは 魂の奥底から出てくる
自信に満ちた言葉だった
そして その力強い言葉は
悪魔の悪想念を断ち切った
その言葉を聴いて
天使は正気を取り戻した
生身の自分が 雨にぬれても
あなたの 気高いこころは決してぬれはしない
むしろ
わが身を ずぶぬれと思いこみ
欲望の海の中で 悪魔と戯れてしまうことを恥とせよ
欲は欲のままで
さみしさはさみしさのままで
そのままして
今は だだ 自分を実らせよ
残りの人生は それだけでいいではないか
小さくても やさしく光っておればよい