我が家には谷川俊太郎詩集の「いまぼくに」がある。
香月泰男の挿絵があるシックな本は谷川俊太郎の世界を優しく包んでくれている。
どの詩も人間が好きなんだなと感じさせる素敵な詩です。
酒井治も人が好きでした。
絵の題材も人と自然をテーマにして描いています。
人を描くとき人物を直視し、その内面まで描くように筆を動かしていたように思う。
詩の創作も同じで子どもを直視し、楽しんで子どもを見ていたように思う。
「すすめ」
前へすすめ 赤ごへ心の中でつぶやく もっともっと 赤ごは さかんに おしりを上げたり 手を前に出したりして 前へ進もうとしている 前へすすめ 赤ごは 無心になって すすもうとする 一歩一歩 やがて赤ごは 自分の来た道を ふりかえって まんぞくする
「さわる」
いろいろな物を手で さわろうとしている 一つ一つ手でさわって もの事を覚える 手や体でさわって はじめて物事の真価が わかる 一つ一つ学んでいく姿を 見ていると その姿を忘れてしまった 我々がなさけない