「ルノワール」の絵を見ていると、とても穏やかな気持ちになるのはどうしてでしょうか。
「ルノワール」は対象物を描いたのではなく、そここら感じ取る「人のぬくもり」のようなものを描いた画家だと思います。
この作品は、必ずどこかで1回は見ている作品だと思いますが、私が驚いたのはこの作品が「パリ」の「オランジェリー美術館」にあり、それと全く同じものがここ「メトロポリタン美術館」で見れたことです。
調べて見ると、「ルノワール」は4枚同じものを描いていて、自分の追い求める作品を追求しているようです。
「教科書」等に紹介されているのは、たぶん「オランジェリー美術館」のほうだと思いますが、それは向こうのほうがより繊細に描かれているからほかなりません。
「姉妹」を通じて、家庭的な「ぬくもり」や「やすらぎ」を表現しているように見えるこの作品から、彼の人間性がとてもよく理解できます。
「姉妹」を描いたものに、同じようなものがあり、この作品は戸外での「仲のよい姉妹」を描いています。
彼の目は、そうした人達だけでなく「お手伝い」の人まで注がれ、「お手伝いさん」の持つあたたかなまなざしに共感しているように見えます。
もちろん、「あたたかな人達」ばかりではないはずですが、「冷たく感じる人達」でさえそうしたことを感じさせない作品として我々の目に届く工夫をしています。
また「ルノワール」は「音楽」が大好きで、先ほども「ピアノに寄る娘たち」のように「音楽」を取り入れている作品が多いのも特徴です。
この「3姉妹」は、「ピアノ」と「ヴァイオリン」でしょうか、「音楽を楽しむ空間」を表現し、そこに「やすらぎ」のようなものを感じさせるようにしています。
この時期の「ルノワール」は描きかたが少し変わり、輪郭線が鋭くなっているのがわかると思います。
この作品と比べるとよくわかりますが、この作品では「輪郭線」があいまいになっていて、「ルノワール」独特の手法になっています。
こうした「静物画」もかなり描いたようですが、特に「花」の存在は彼に、ないか特別な「インスピレーション」を与えたような気がします。
彼の題材は、「音楽」「姉妹」「女性」「子供」「花」というように、「やすらぎ」を感じさせる題材が」多いのにも気づきます。
それらが私たちに「人の愛」の存在を気づかせ、「幸せな家庭」の「ぬくもり」を提供しているように思えてなりません。
それらが「幸せな画家」と呼ばれる所以になっているのではないでしょうか。
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