「印象派」の中に、「シスレー」という画家がいますが、この画家の作品を見るたびに「ため息」が出てくるのがわかります。
この画家は、「印象派」の中でも一番「印象派」らしい画家といわれるほど、徹底して「風景」を描いています。
「パリ周辺」の風景を求めては、絵を描いていたのが目に浮かぶようです。
この作品を見てください。「パソコン」での処理が少し悪かったようですが、「青」という主調色がとてもあざやかに表現されていることがわかります。
「光」を表現するために「青」という色をとても効果的に使っています。「空の青」「水に反射する青」「建造物に反射する青」というように、一貫して「青」の存在を生かしています。
それが、見る我々にとても効果的に伝わり、「空気の存在」や「清涼感」を感じさせ、我々があたかもそこにいるかのような錯覚を起こしてしまいます。
私はこの「シスレー」の「風景画」がとても好きで、思わず目がそこへいく自分を発見してしまいます。
同じ「印象派」の画家に「ピサロ」という画家がいますが、彼の絵も「風景画」が多いのですが、この絵のように「農村」を舞台にして、「人物」も描いています。
彼の絵もとても明るく、「光」を追求している姿が良くわかり、とてもあたたかいものを感じます。
彼は、人柄も温厚で「印象派」の中にあって「リーダー的」存在のような人だったそうです。
彼の絵を見ると、そうしたことが良くわかりとても真摯に「風景」を描いている様子が察せられます。
「農村」の中にいる「農民」をとても健康的に描いている画家であり、「ミレー」や「ゴッホ」のような暗さがありません。
生き生きと働いているその姿は、どこか「明るい農村」のイメージがあり、彼の性格がでているようでとても楽しいものがあります。
その証拠に彼は「印象派の展覧会」が8回あったのですが、その全てに出品するという姿勢がみれました。
彼は、一時期こうした「点描画法」にこっていたようですが、それは「光」を分解していく方法に通じています。
「印象派」の画家たちの作品が、これほど世に出るようになった理由は、今まで「室内で描いていた作品」が「戸外」で描くようになったことがまずあげられます。
そして、戸外での制作の中で、実際に「自分の目」で見て描いているということから、その色の持つ効果が今までとは比べ物にならないぐらい人に伝わるようになったことがあげられます。
「美術館」の中で、絵を見てまわるとそうしたことが手に取るようにわかります。
歴史的にはいろいろな描き方が展開されましたが、私個人の感想としてはこの「印象派」の存在は、とても大きなものがあると思います。
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