娘との織物ごっこから、イギリス綿業の興隆に話がいったついでに、引っぱり出したのが、
吉岡昭彦「インドとイギリス」
かなり古い本ですが、あらためて読み返してみると非常に面白い著作でした。
吉岡氏はイギリス近代経済史の研究で大きな功績を残された方です。その氏が昭和43年にインドとイギリスを訪れ見聞したことをベースに「イギリス帝国主義とインド統治」という観点から、両者の相互規定的な関係を経済的な側面から歴史的に考察しようとしたものです。インドの現在の農業、綿業、鉄鋼業に関して実際に見聞きしたことから始まり、インドの鉄道がどうして3つのゲージが交じり合って発展をとげたのか、大きな港湾都市を通じて世界市場とどう結びつき帝国の拡大にいかに寄与したのかが語られます。そして「本国費」という名目で、いかに多くの富がイギリスによって搾取されたのかが、多角的な世界システムの観点から解き明かされるのです。
最近の新書がハウツーものや短期的な視点で語られる物で多く占められていますが、長年のしっかりした研究を下地とした、イギリスを理解する上で読み応えのある内容となっています。
この本、現在版元品切れです。
吉岡昭彦「インドとイギリス」
かなり古い本ですが、あらためて読み返してみると非常に面白い著作でした。
吉岡氏はイギリス近代経済史の研究で大きな功績を残された方です。その氏が昭和43年にインドとイギリスを訪れ見聞したことをベースに「イギリス帝国主義とインド統治」という観点から、両者の相互規定的な関係を経済的な側面から歴史的に考察しようとしたものです。インドの現在の農業、綿業、鉄鋼業に関して実際に見聞きしたことから始まり、インドの鉄道がどうして3つのゲージが交じり合って発展をとげたのか、大きな港湾都市を通じて世界市場とどう結びつき帝国の拡大にいかに寄与したのかが語られます。そして「本国費」という名目で、いかに多くの富がイギリスによって搾取されたのかが、多角的な世界システムの観点から解き明かされるのです。
最近の新書がハウツーものや短期的な視点で語られる物で多く占められていますが、長年のしっかりした研究を下地とした、イギリスを理解する上で読み応えのある内容となっています。
この本、現在版元品切れです。