ポール・セロー「ハーフムーン・ストリート」
だいぶ前の出版から1冊。
ローレンは中東問題研究所に勤める才女。とあるパーティで「世界には5千人の人間しかいない」と語った男に興味を惹かれる。昼の仕事とは別に高級エスコートクラブでの夜の顔を持つローレンは、素顔で出ることでその世界で有名になっていく。
ちょっとサスペンス仕立てでスリリングなロンドンが描かれる中編です。
「ハーフムーン・ストリート」はロンドン・メイフェアにある実際の通り。地下鉄グリーンパーク駅のすぐ近く、ピカデリー通りから北に入った通りです。リッツホテルもすぐ近くにあるエリア。このあたりにフラットを借りるには莫大な賃料がいるでしょうね。
ポール・セローといえば、日本では村上春樹が翻訳した「ワールズ・エンド(世界の果て)」が有名ですね。これはまだ読んだことがないのですが、ここで言うワールズ・エンドはやはりロンドンのキングスロードにあるエリアです。そう言えばヴィヴィアン・ウエストウッドのショップが「ワールズエンド」でしたね。一度だけ店内に入ったことがあります。おもいっきり日本人の店員が「いらっしゃいませ!」って声かけてきたのでびっくりしたのを思い出します。逆回転する13時まである時計が目印な小さなショップです。パンクの仕掛け人から最近のエレガント路線までなかなか存在感のあるデザイナーですね。
「ハーフムーン・ストリート」は86年にシガニー・ウィーバー主演で映画化がされています。