英国的読書生活

イギリスつながりの本を紹介していきます

居眠り読書

2008-11-06 | イギリス

P・G・ウッドハウス「ジーヴスと封建精神」

毎日の帰宅途中の電車の中、唯一心安らぐ読書時間です。でも、この時期ウッドハウスの本を読んでいると・・・・、いつのまにか気持ちよくなって、まぶたが重たくなってきちゃいます。次の日、挟んだしおりの場所から読み始めても、お話がさっぱり繋がらないこともしばしばです。だから2ページ程度復習してから前に進む。この繰り返しです。居眠り読書もたまにはいいのでは。笑いながら眠っているかもしれませんが・・・・。
今回の舞台はダリア叔母さんの広大なカントリーハウスです。三ッ星シェフ、アナトールの究極のメニュも健在です。この作品が発表されたのは1954年。バーティたちのハチャメチャでお気楽な生活も時代と共に幻影となっていくような・・・。心なしか全体のエッジが丸くなったと感じるのは気のせいでしょうか。カズオ・イシグロの「日の名残り」に似た感傷をいだいてしまいます。そういえば、執事、従僕専用のクラブにジーヴスが通うくだりなんかもそれを後押ししているのかもしれませんね。
個人的には後半登場し、バーティの背骨の危機と婚約の危機を回避してくれることになる、絶世の美人作家がちょっと気になりました。バーティをして「目の保養になった」と言わしめたこの女性のことをもっと知りたいものです。