気合を入れてフレデリック・ワイズマン監督「パリ・オペラ座のすべて」を観た。現在福岡では1日1回朝一番の上映のみ。さすがに客は少ない。それでもいかにもバレエやってます(やってました)といった怖そうなお姉さま方もちらほら。
映画はパリの街並みから始まる。そしてオペラ座の裏正面が。そう、これから紹介されるオペラ座は、誰もが知る煌びやかな表のオペラ座ではなくダンサー、演出家、経営者、各スタッフたちが営む日常なのだ。
ナレーションなし、効果音なし、テロップも必要最小限、長尺2時間40分の映像は一見するに単調、平坦。でもそこにはワイズマン監督の計算がされつくしている。
とにかくレッスン、レッスン、レッスン。古典を重視しつつもコンテンポラリーなプログラムにもチャレンジするオペラ座の経営姿勢も面白い。
いくつか紹介された演目の中では、「メディアの夢」(アンジュラル・プレルジョカージュ振付)が凄まじい迫力。2人の子供の首を刎ね血みどろになる姿が息をのみます。また「ベルナルダの家」(マッツ・エック振付)も。無言が前提なはずのダンサーたちが嬌声をあげてのダンスは非常に面白かった。
地下深くある怪人で有名な池、食堂でのランチ風景などもスポットで紹介。
知らなかったな。オペラ座の屋上では養蜂箱が置かれ蜂蜜を取っていたなんて。