ジェフリー・ディーヴァー「007白紙委任状」
今を時めくディーヴァーが007を描く!「あざとさ」がプンプンする企画ですが、つい買っちゃいました。
冒頭はまさに映画のシーン。夕闇迫るセルビアの大地を大編成の貨物列車が静かに走る。この路線はかつてオリエント急行も走った歴史ある鉄道。進む列車の前方にはドナウ河が。河を望むレストランの客を監視する男が一人・・・。ジェームズ・ボンドだ!監視される男はアイリッシュマンと呼ばれ、数千人規模の破壊工作計画に係わり合っていると目されているのだ。そこから始まるノンストップ007ワールド!セルビアでアイリッシュマンに裏をかかれたボンドはロンドンに。しかし007の行動が一番制約されるのがイギリス国内なのだ。イギリスでは殺しの「白紙委任状」は通用しない。舞台はロンドンから海を渡って・・・・。
イアン・フレミングのコアなファンから見れば批判すべく点も大有りなのでしょうが、ここでは同時代の等身大(?)のボンドが描かれています。特殊アプリ満載のiPhonを携え、スバルインプレッサWRXを駆る姿はカッコエエ!よ。時代は変わってもボンドをサポートする面々はおなじみのメンバー。もちろんMも。
エコロジー、リサイクル、食糧援助といった美辞に隠された闇のビジネス、陰謀。破壊工作はいつ、どこで起こるのか?雲をも掴む当局であるが、ボンドは決して行動を休まない。後半3分の一は、残りページをカウントしながら、「もう1回くるか」「さらにもう1回あるか」・・・と楽しめます。
もちろんワインと女に強いボンドも健在です。