高校時代、ちょっとだけラグビーをやっていた。
新入生を勧誘する手作りポスターの写真が妙にかっこよかったのだ。
初めて練習を見学に行くと決めた放課後、
たまたま私の後ろの席にいたMくんに「部活どこに入る?」と聞いてみた。
「弓道部にしようかと・・・」
「そっか、俺はラグビー部を今から見に行くんよ」
「ラグビー部!?、へー、俺もちょっと付いて行こうかな・・」
と、いう流れでグラウンドで見学していると、
Mくんの目が真剣になって来て・・・、
「俺、ここに入る!」
「えっ!弓道部って言ってたくせに・・」
その日、二人揃って入部・・・。
ポジションは、本当はバックス希望だったのだけど、既に満席ということで
フォワード、ロック候補ということに。Mくんも同じくロック候補だ。
練習は・・・・・、楽しかったな。
高く蹴り上げられたボールをキャッチしてのダッシュ・・・
一瞬自分が風になった気がした。
屈強なフロントローの太腿に頭を挟まれてのスクラム、
耳がいつまでもピリピリした。
セービングの特訓・・・・
左右の太腿上部には、いつもハンバーグのようなカサブタが出来ていた。
1年後、学業においてまったく落ちこぼれてしまった私は已む無く退部・・・
退部したからって成績が良くなる訳でもないのであるが・・・
Mくんは学業と部活をりっぱに両立し、東大に進学。
人生いろいろ男もいろいろなんですよ。
レジナルド・ヒル「社交好きの女」
ヒルの処女作です。ダルジール警視&パスコーシーリーズの第1作です。
事件の舞台はラクビークラブ。被害者はかつての天才スタンドオフとしてイングランド代表候補にもなったプレイヤーの奥さん。第一発見者となった旦那がまず容疑者として取調べを受けるのですが・・・。
ダルジール警視はかつてこのクラブのメンバー。知人だらけのクラブメンバーを調べていくうちに、いびつな人間関係が見え隠れしてくる。
それにしてもヒルの描く殺人現場はダルジールのお馬鹿ぶりに比べ、けっこうえぐい。今回も額を鈍器で潰されているといるという設定です。
ちょっと暗めな情景描写は発表年1970年の雰囲気なのか。