
よく夢を見ます。いつも不思議なのが、初めての場所に居るにもかかわらず夢の中の自分はドアの向こうに何があるか、道を曲がると何の建物が見えるかを知っていること、はたまた会ったことも無い人なんだけど、その人とは前にいっしょに遊んだことがあるとか・・・。その瞬間、夢の中にいる自分とその自分をみている自分が共存している様な変な気持ちになります。夢の中の自分が持っている「記憶」っていったいどこから来ているのでしょうか?「前世」なんて信じるタイプではないのですが、「何か」があるみたいです。
コニー・ウィリス「航路」
コニーはアメリカ人、舞台もアメリカの病院ですが、前に紹介した「犬は勘定に入れません」つながりと、イギリスに関係する大事件がこの作品に深くかかわっている(ネタバレ注意です)ということから・・・。
擬似的臨死状態を化学物質投与で作り出し、科学的に臨死体験を研究しようとするリチャードとジョアンナ。ジョアンナ自身も被験者となり臨死体験を行なうのだが。そこで見たものは・・。
増改築の連続で迷宮のようになった病棟、いつ行っても営業していないカフェテリア、二人の研究をじゃまするために絶えず付きまとうマンドレイク・・・。物語は当初コミカルに、というよりドタバタに、あたかも先が読めない状況下での脳シノプスの様にイライラともったいつけて進行しますが、これこそこの作品の罠なのです。
後半起こる怒涛の展開に唖然としながら、読者は最後に起きる「大どんでん返し」を期待しながら読み進め、そしてその「大どんでん返し」の希望が所詮叶わなかったと気付いた時に不思議な幸福感に包まれたりするのでした。
この写真、トンネルの向こうの白い光をイメージしてみました・・。
ダメですね・・。
コニー・ウィリス「航路」
コニーはアメリカ人、舞台もアメリカの病院ですが、前に紹介した「犬は勘定に入れません」つながりと、イギリスに関係する大事件がこの作品に深くかかわっている(ネタバレ注意です)ということから・・・。
擬似的臨死状態を化学物質投与で作り出し、科学的に臨死体験を研究しようとするリチャードとジョアンナ。ジョアンナ自身も被験者となり臨死体験を行なうのだが。そこで見たものは・・。
増改築の連続で迷宮のようになった病棟、いつ行っても営業していないカフェテリア、二人の研究をじゃまするために絶えず付きまとうマンドレイク・・・。物語は当初コミカルに、というよりドタバタに、あたかも先が読めない状況下での脳シノプスの様にイライラともったいつけて進行しますが、これこそこの作品の罠なのです。
後半起こる怒涛の展開に唖然としながら、読者は最後に起きる「大どんでん返し」を期待しながら読み進め、そしてその「大どんでん返し」の希望が所詮叶わなかったと気付いた時に不思議な幸福感に包まれたりするのでした。
この写真、トンネルの向こうの白い光をイメージしてみました・・。
ダメですね・・。
僕は、翻訳ものの小説が好きでよく読んでいますが、なかでもイギリスの作品は、基本がしっかり作られていて好みです。
コニー・ウィリスも最近読み始めた作家ですが、ガジェットやテーマにかかわらず、土台になる物語作りが非常に丁寧ですよね
『航路』も最初はあの厚さに恐れをなしていましたが、意外と早く読み終えることができました。後半、主人公が陥るあの展開は、本当に驚きました。結末で、もしかして奇跡的なことが起こるのかと、はらはらしながら読んでいましたが、やっぱりそううまくいきませんでしたね。でもあれはあれで、静かで印象的なラストでした。
でもどうして「タイ・」だったり「ヨーク・」だったりなのかは分からないのですが。
私は、ラストに恐怖します。
引き延ばされた時間の中に閉じ込められる意識。
なんとも西洋的な解釈ですが、こういうのもアリですね。
一度だけ全身麻酔で手術を受けたことがあります。
このとき麻酔から覚めた時の心地よい快適さは忘れられません。
まったく夢なんて見てないし、何か脳内を清水で洗ったかのような感覚でした。
実際の死後ってどうなのでしょう。