英国的読書生活

イギリスつながりの本を紹介していきます

村上さんを集めてみた

2009-07-03 | 日常

我家の村上春樹を並べてみました。これ以外にも1冊ぐらいあると思うのですが何が抜けているのかわかりません。
初めて「風の歌を聴け」を何気に書店で見つけ(発行後しばらくたってから)読んだ時の新鮮な驚きは今でも思い出しますね。続く「1973年のピンボール」、そしてようやくリアルタイムで読むことが出来た「羊をめぐる冒険」ら「鼠3部作」は僕らにとっての一種のスタイルブックのような存在でした。冷蔵庫の中にあるものでのサンドイッチのを作り方、缶ビールのかっこいい飲み方、レコードの選び方、アイロンの上手なかけ方(そんなのあったっけ?)・・・。
続く短篇集もかっこよかったな。特に「中国行きのスローボート」に収められた「シドニーのグリーンストリート」は今でもよく読み返すお気に入りに。資産家なのに私立探偵やっている男の話なんだけど、私も愛聴しているグールドの「インベンション」なんかが登場するので余計にね。
「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」が発売された時は、本当に早く読みたくって発売日に書店に走っていった記憶が・・・。この作品がその後の村上ワールドを形作る上で、そして純粋に物語としても一番よく出来ていると思います。パラレルな世界で進行する話が交錯していくスリリングな過程と「やみくろ」の登場はなかなかに印象的でした。
赤と緑の装丁がインパクトを与えた「ノルウェーの森」ですが、このあたりから私と村上春樹の距離感が出てくるのですね。どうも手放しで礼賛できない何かが芽生えていった様です。だから「ダンス・ダンス・ダンス」は書店で手にも取っていないと思います。単に「飽きた」だけかもしれませんが。
それとも私の感受性が老いたということかもしれません。そんな中で今年出た「1Q84」は久しぶりにお互いが「帰って来た!」感のある作品だったと思います。
右端にあるのはフィッツジェラルドの翻訳本ですが、その発行年をあらためて見てちょっと驚きました。村上春樹は初期から一貫して翻訳をもう一つの軸足として取り組んで来たのですね。翻訳家としての仕事量も半端じゃないです。・・・なるほど翻訳する作品は全部アメリカンだ。





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