サン=サーンス(1835〜1921)も今年は生誕190年の記念イヤーです。
彼は、フランス国民が栄誉とするレジオン・ドヌール勲章を受けたり、ケンブリッジ、オックスフォード両大学からは名誉博士号を授けられたりしいぇ、芸術家としては最高の栄誉を極めたのですが、音楽界にあっては若干異端的な存在だったようです。
ピアノ曲も70曲あまりありますが、演奏される機会はそう多くはないかもしれません。
よく知られた曲といえば、動物の謝肉祭ですが、どちらかと言えば技巧的な曲が多いと言えるでしょう。
彼自身もピアニストであり、オルガニストでした。
オルガニストとして最高峰と言われる、パリのマドレーヌ寺院のオルガニストを20年間務めました。
さて、このトッカータは、「第5協奏曲のフィナーレによるトッカータ」です。
トッカータとは鍵盤を駆け巡るような動きからなる華やかな曲で、バッハのトッカータとフーガなどバロック時代によく作曲されました。
第5協奏曲は、デビュー50周年を記念する演奏会のために1896年に作曲されたもので、このフィナーレは極めて派手な演奏効果を持つ技巧的な曲で、この曲の楽想を用いて一人で演奏できるコンサート用楽曲として1899年に作られました。
トッカータの名の通り、鍵盤を駆け巡る華やかで技巧的な曲ですが、とても面白い曲でもあります。