しこたまらいふ

大谷翔平と大滝詠一の生まれた岩手県奥州市で、スローライフを実践中♪ 田舎暮しや食べ物の話題。

おら 【方言】

2020-07-31 | 岩手県奥州市の方言
 


↗︎は、賢治の生まれた花巻の酒(^^)
 

「おら」は、普通に使う一人称です。岩手に限らず広く東北地方等で使われます。宮沢賢治の永訣の朝でも、Ora Orade Shitori egumo(おらおらでひとりいぐも)とでてきます。

普通は、男性が使いますが、岩手では女性も使います。(若い人はもちろん使いませんが…)

語源は、己等(おいら)の省略形でしょう。

ちなみにおいらは、俺等(おれら)の音が変化したもののようです。

おらは、岩手では普通に使う名詞で、

自分の家は、「おらえ」(おら+いえの略)

自分のいる地域、「おらほ」(おら+方向の略)

自分たち「おらだ」(おら+達の略)

等として普通に使われます。

【用例】

おらえでは、東北弁なんてかだんねで、標準語かだってらおや。

Oraedeha touhogubennnanntekadannnede hyoujyunngokadatteraoya

(私の家では、東北弁なんて話さないで、標準語を話してます。)

おらほでは、野菜なんてタダみでなもんだおや。

Orahodeha yasainannte tadamidenamonndaoya

(私の地域では、野菜なんてタダみたいなものです。)

 

おら以外の一人称は、「われ」も使います。これは単純に我ですね。でも、用法が若干違います。

【用例】

あいず怪我したってかだってんだけんと、われでされ転んだんだっけぞ。

Aizu kegasitatte kadatterakennto waredesaregoronndanndakkezo

(あの人怪我をしたって言ってますが、自分で転んだんですよ。)

おらえのずんっつぁ だれさもごっつぉかせねで わればりくのだっけ。

Oraenozunntsa daresamogottsokasenede warebarikunodakke

(うちのおじいさんは、ご馳走を誰にも食べさせないで、自分だけたべるんです。)

 

ひまになってぐだぐだってるどは、おらなんもかんもやんたぐなってくるおな。



 
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岩手の地名 【方言】

2020-06-29 | 岩手県奥州市の方言

地名については、当然訛ります。単純に濁音が付く場合と音がくっついてしまう場合があります。元々は、アイヌ語の音や意味に漢字を充てたという説もあります。奥州市辺りでの呼び名は、次の通りです。市のみ

水沢は、みんつぁ

一関は、いぢのせぎ

陸全高田は、りくぜんだがだ

宮古は、みやご

花巻は、はなまぎ

北上は、きたがみ

盛岡は、もりょーが

八幡平は、はぢまんたい

他の市はそのまま読みます。

字レベルの小さい地名になるとものすごく訛ります。

市内でも、学間沢(がくまざ・がぐまんざ)、大内沢(おっつぁ)、兄和田(あにゃだ)等々切りがありません。

 

ところで、荒井由実さんの1979年の曲「緑の町に舞い降りて」

 

緑の町に舞い降りて 松任谷由実

 

youtube#video

 

 

の中のフレーズで、「モリオカというその響きがロシア語みたいだった」とあるのですが、「モリオカがロシア語の響き?」と長年不思議だったのですが、先日友人が教えてくれました。それは、歌では「モリオカ」だけど訛って「モリョーガ」と発音するとロシア語みたいだからなんだど。都市伝説ですなー(^^;



 
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ぼんこ しっこ 【方言】

2020-06-27 | 岩手県奥州市の方言

今日は、みんな大好きな「ぼんこ」「しっこ」のお話です( ̄▽ ̄;)

 
奥州市ではうんこのことを「ぼんこ」おしっこのことを「しっこ」「しょんべ」といいます。語源は、音とか形状とかでしょう。うんこの方言は各地にありますが、「ぼど」「ぽん」「ばる」などと表現する場合が多いようです。これは排出するときの音でしょうね。しっこの「し」は、そのとおりしーっとするからですね。
 
「ぼんこ」は、形状により呼名が変わり、便秘してかなーり硬くなると「きだくそ」「ボンギリクソ」等と表現します。
「なんの3日ぼんこしねでらったれば 鉈で切るよなきだくそではったったで」
(3日も便秘したら、鉈で切るような太いウンコが出ました。)
 
一方、下痢をした場合には、「腹溶げ」といいます。昔はなんだりかんだり食べたので下痢をする人が多く、腹溶げはよくあったように思います。
「なんだ!ツラ色わりぞ、腹溶げでねが?」
(なんだ!顔色が悪いですね。下痢してるんじゃない?)
 
腹溶げといえば、思い出すのは、チビルことですが、おしっこもうんこもちびった時には、「むぐす」「もごす」を使います。今は、尿取りパッド・リハパンという便利なものがあるので、そう簡単に「むぐる」ことはなくなりましたが、昔は大変だったと思います。お酒を飲み過ぎてグラグラになって立てなくなり、「むぐり」そうになってるじいさんなんていたもんです。
 
また、この辺にはご多分にもれず昔は肥溜めがあったのですが、そこに入っている人糞のことをダラといいます。完熟のダラはそれほど臭いがなかったとは言いますが、実際撒いた後はとてもひどい匂いだったと思います。
 
便意や尿意を催すと、「ぼんこ詰まった」「しっこ詰まった」といいます。ビアガーデンなどで話に夢中になってる人が良く「わがね、しっこ詰まった」と言ってトイレに駆け込みます。もちろん尿道が尿路結石とかで詰まっているわけではありません。
 
糞、尿とくれば、「へ」も取り上げなければなりませんが、「へ」については、そのまま東北でも屁ですから、取り立てて書くことはありません。ブーブーやってると「なんたら、へったれだな」とか言われますが。
 
最後に今は亡き父が言っていたことを書いてみます。
「へには、ぶー、すー、ぴーの三種あり。ぶーは音はすれども匂いなし。すーは、音はなけれど臭い芳し。ぴーは、ややもすれば身の出る恐れあり。」失礼しました(^◇^;)
 
 
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まずら 【方言】

2020-06-24 | 岩手県奥州市の方言

私は、ブドウを食べるときに皮も種もそのまま食べてしまうのですが、ある日の事、ブドウを食べていたら、バーさんに尋ねられました。

「なんたら、ぶんど かわまずらくのが?」(あれ!ブドウ皮ごと食べるの?)

「んだ、皮まずらくど、体さいんだよ。」(そう、皮ごと食べると体にいいんだよ。)

奥州市辺りでは、(〇〇ごと)というときに「〇〇まずら」を使います。

語源は、いろいろ調べてみたんですが、よくわかりません。

北東北一帯では、「もんずら」「むんずら」「まんずら」とも表現するようで、「むんず」+「ら」が語源であれば、古語の(掴む)意味ですからあながち外れてもいないような気がします。「ら」は、卑下とかおおよその意味があります。

 

用例

「ばんつぁ デパートさ 買い物ふぐろまずら わせできたんだど」

(御婆さん、デパートに買い物を袋ごと忘れてきたそうです。)


 
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け く かね?【方言】

2020-06-23 | 岩手県奥州市の方言

よく東北弁の短い会話っていうので「け」「く」ってのがありますが、さすがに日常会話では、使いません。

「こいずけや」(これを食べなさい)

「んで、くがな」(それじゃ、たべよかな)

ぐらいですかね(^^;

前出の「け」「く」は、どちらも「食う」の活用なんですが、岩手では、語幹まで変化してしまいます。このためなんだか変な印象を与えているのかもしれません。

「け」は、「食え」が短縮されたものですから、命令形です。

「く」は、「食う」の短縮です。

否定形・疑問になると「かんね」又は「かね」です。疑問の場合には、語尾を上げますが、明確に「かんねが?」と尋ねる場合もあります。

むかしは、兄弟や従兄が集まると食べ物の取り合いでした。そのため年下の者がもたもたしていると年長者に食べられてしまいます。

「こいず、くのがかねのが?」(これ、食べるの食べないの?)

「かんねんだべ」(食べないでしょ)

「かんねおな」(食べないよね)

「んで、くぞ」(それじゃ、食べるよ)

ってな感じで、とっけされで(取られて)しまいました。

そのため早食いになってしまいました(^^;

ちなみに、さっさと食べなさいは、「わらわらど け」です。

また、蚊に刺されることを「蚊にかれる」といいます。冷蔵庫に入れてある蟹を誰かに食われる事も「蟹かれる」です。まあ、蚊に刺されることは、よくありますが、蟹を食べられることって、めったにないですよね(^◇^;)


 
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たねる 【方言】

2020-06-23 | 岩手県奥州市の方言

家のバーさん、いろいろ物忘れをするようになりました。毎日毎日探し物です。そんな時に言う言葉が、

「とげー どごさおいだが 忘れだや。しゃねが?たねでけろや?」です。

(時計をどこに置いたか忘れてしまいました。知りませんか?探して下さい?)

奥州市では、探すことを「たねる」といいます。語源はもちろん「尋ねる」で、「たずねる」の「ず」が省略されて「たねる」となったものです。

「尋ねる」を古語辞典で引くと

「ありかを捜し求める。追い求める。」が一番先にでてきて、探すことが本来の意味であることが分かります。

「たねる」は、動詞なので活用しますが、そのへんは訛っているので、ちと微妙に活用します。また名詞では、ものがついて「たねもの」(さがしもの)となります。

用例

①「あいず たねっとぎ オラのも一緒に たねでけろや」

(あれを探すときは、私のも一緒に探して下さい。)

②「なんぼたねでも たねもの ではってこねどは まんつごしょっぱらげるおな」

(いくら探しても探し物が出てこないときには、ほんとにおもしろくないです)

探し物をしなければならないときには、「たねねね」(探さなければならない)で、「ねねね」(寝なければならない)や「ででで」(建物の外に出ていて下さい)と同様に同じ音が続きます。

やはりこれもネイティブ以外には、理解できないでしょうねー(^^;


 
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すばで 【方言】

2020-06-19 | 岩手県奥州市の方言

美味しいものが好き&お酒も好きってことで、よく料理屋で飲んだりするんですが、江刺ではおつまみの事を「すばで」といいます。

飲んだ時の方言談議で語源を聞かれることがたまにあり、すぐに答えを出さずにいろんな意見をしばらく聞きますが、「すばで」については、

☆むかし山から柴を担いできて売って、その柴代(しばあで)でお酒を飲んだからとか

☆酒場手(しゅばて)と漢字をあてたりする説が有力ですが(^^;

私の考えでは、古語の「しはぶる」(しゃぶる)が訛ったものに「手」(もの、方法)がついたものだと思います。

むかしの酒の肴は、昆布とか煮干しとかおごご(つけもの)で、今でいう乾きものですね。まさにお酒を飲みながらしゃぶったわけです。

ものの本によれば、「しは」は「しはぶく(咳)」等の「しは」と同じく唇に関わる語根として、「ぶる」は「くすぶる」「ゆさぶる」等に共通する作用行為の接尾語と見るのが妥当か。出典 精選版 日本国語大辞典

とのことです。

用例

①「きょのすばでなんにすっぺな」

今日の酒の肴は、何にしようかな。

②「本家さいったれば、なんの取りすばでいっぺでさー」

本家に行ったら、皿盛りのご馳走がいっぱいでねー(^^♪


 
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キミ 方言

2018-06-07 | 岩手県奥州市の方言
君が好き!本当は、「黍が好き」なんだろね(^^)/
岩手では、トウモロコシのことをキミといいます。多分、「ビ」の発音が難しいので、「ミ」になったと思われます。

トウキビ=唐黍で、唐は本邦以外からの持ち込みの意味。玉蜀黍の字を宛てるのは、実が玉がきれいに並んでいるように見えるからだそうです。

それにしても中南米原産の植物が中国経由で入ると、唐とか蜀とかの漢字が宛てられるってのは、面白いですね。もしかすると玉漢黍ってなってたかも(^^;

 
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超東北訳 スターウォーズ (方言)

2016-11-28 | 岩手県奥州市の方言

スターウォーズ エピソード5。1980年公開ですから、もう36年も前の映画なんですね。

エピソード5で、私の好きな場面は、最後のほうでダース・ベーダーとルークがライトセーバーで戦う場面。↓ここです。

ベーダー:Luke, you do not yet realize your importance. You have only begun to discover your power. Join me, and I will complete your training.

【超東北訳・ルーク、おめはおめがスンゲつのわがってねんだ。おめの力っこ、おべ始めだばりだべ。こっちゃこ!したらおめの修行を終わらせでやっから。】
ルーク:I'll never join you!
【おらは、ぜってそっちゃ行がねぞ!】

ベーダー:If you only knew the power of the dark side.
【暗黒面ハ、すんげぞ。オメもおべだほいぃぞ】

ふぅむ、、、むかし見たときは、暗黒面は、dark side of the Force だと思っていたのですが、ヨーダは、そう使いますが、ベーダーは、the power of the dark side とかで、powerを使ってますね。the Force は、善なるものって位置付けなのかな。

それと、むかしは、Forceを理力と訳してたと思うのですが、この頃は、そのままフォースって言ってます。まぁ、理力って何のこっちゃわかりませんよね。呆力(アホース)だとなんかわかるけど。

May the Force be with you.
これは、ちょっと東北弁には、訳せないなぁ(^^;

 

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はずごどね 【方言】

2016-04-23 | 岩手県奥州市の方言

だいぶ前の話ですが、ある活発な娘さんから

「「いってで、はずごどね」っていわれたんだけど、意味わかんない」

と聞いたことがあります。若い人たちに「俺のかだってっこど、わがっか?」と聞くと、「大体わかります。」と答えられるので、会話の流れでは概ね理解できるんでしょうが、個々の表現については、なかなか難しいのかもしれません。

「はずごどね」は、「はいと言うことがない」

ですから、大人のいうことを聞かずに素直でないという意味です。昔は、目上の人に言われれば、少々疑問に思ってもそのとおりやったのですが、この頃は、そんなことはなくなりましたから、年寄りからすれば

「はずごどね」 人が増えたと思うのでしょう。

特に男尊女卑とまではいいませんが、女性が年上の男性に物申すということは、あまりありませんでしたから、くだんのアネッコも「はずごどね」と言われたのでしょうね。

 

それと同様にかつては、目上の人に指示の理由を尋ねるということは、ほとんどありませんでした。

このため「なしてや?」(なぜ?どうして?)という疑問文は、みんな知ってはいますが、日常会話ではほとんど使われません。この言葉を発すると、

「なんたら、わげのに返歌けして!」 と叱られます。

このへんでは、全体の会話や行動から類推してその理由を忖度するのが正しい方法です。



 
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される 【方言】

2016-03-29 | 岩手県奥州市の方言

「される」といっても、受動態ではありません(^^;

いろいろなものが、日光や雨等に当たって色褪せたり、もろくなった状態をいいます。風化して朽ちた感じですが、完全に壊れたものには使いません。主に表面が劣化した状態かな。物体にのみ使用し、命のあるものには使いません。

 

【用例】

1 ありゃ~、網戸立でるべど出してみだれば、すっかりされでらったじゃ。

  arya, amidotaderubedo dashitemidareba sukkari sarederattaja.

    あれー、網戸を立てようと出してみたら、すっかり古くなっていました。

2 雨ざらしにしてっとハ なんでもされでしまうんだじゃ。

    amazarasini shitettoha, nanndemo saredeshimaunndaja.

  雨ざらしにしていると、なんでも色褪せてしまいますよ。

 

語源は、古語の さ・る 【晒る・曝る】 でしょう。

1 日や風雨にさらされて、色や形が変わる様子。

2 日や風雨が当たるままにする。さらす。

とあります。(出典 学研社)


かばねやんで されかまねでっとは なんだりかんだり されでしまうんだおや


 
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んだ 【方言】

2015-07-29 | 岩手県奥州市の方言

東北地方で広く使われる言葉です。肯定・同意を表します。

【用例】

1 早ぐ学校さいぐべ。

  Hayagu Gakkosa igube.

  早く学校へ行きましょう。

  んだんだ、早ぐあべじゃ。

  Ndanda hayagu abeja.

  そうだそうだ、早く行きましょう

 

2 なんだが 暑っぐなって やんたぐなってきた。

 Nandaga attugunatte yantagunattekita

 なんだか暑くなって、いやになってきました。

 んだ~、おらハ ねふてぐなってきた~

 Ndaa oraha nefutegu nattekitaa

 そうだね、私は、眠くなってきました。

 

あまり意味を考えずに肯定的な感じで、相槌を打つ時に使う場合もあります。

語源としては、肯定・同意の副詞「そう」(然う)の上略に断定の助動詞「だ」が付いたものだと考えられます。

「そうだ」の「そ」が取れて変化し「んだ」となったものです。「そうだ」→「そんだ」→「んだ」かな?

「ん」の発音については、それほど強く発音しないため、首を縦に振って「だ」と答えているように見える場合もあります。でも、それじゃぁロシア語のДа. (ダー)みたいだな(^^;

 

ろくさにものもかんげねで んだんだってばりかだってらんでは おめなしぐくられんだおや


 
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ゆふて 【方言】

2015-07-21 | 岩手県奥州市の方言

私的には、普通の言葉なんですが、先日若い人たちに話したら、全然理解されなかったので、ちょこっと書いてみます(^^;

これは、煙たくて煙が目に染みたり、匂いがする時にいう言葉です。

【用例】

1 田んぼの草や稲わらを焼いている時等に

  なんだ! ぜーぶゆふてな!

  Nanda Zeebu yufutena

  なんだ!随分煙たいね。

2 ゆふてくてわねじゃ。まなぐさ浸みるおな。

  Yufutekute waneja. Managusa  shimiruona

 煙たくてたまりません。目に染みますね。

語源は、「燻す(いぶす)」です。「いぶす→ゆぶす、ゆふたい→ゆふて」に転じたものです。

「ゆふて」と同じようなことばに「ゆぶりくせ」「いぶりくせ」がありますが、こちらは主に焦げくさいにおいが弱くする場合に使います。「ゆふて」も「いぶりくせ」も目や鼻に不快感があります。

 

なんだがゆぶりくせぐなってきたなぁ~

 

 
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動詞+は(~) 【方言】

2015-07-11 | 岩手県奥州市の方言

前にもちょっと書いたことがあるのですが、方言として取り上げられることが多いのは、名詞や動詞が多いです。イメージしやすいとか標記、説明が簡単とかの理由があると思います。

例えば「たろひ」とか「あげず」とか「かだる」「けっぱぐる」なんてのがありますが、その訳を書けばだいたいお仕舞です。

ところが、その他の品詞は、前後につく動詞などによって変化したり、用例がバラエティに富んでいたりで、なかなか説明が難しいので、取り上げられることが少ないです。

そんなわけで、今回は、動詞の接尾語「動詞+は(~)」を取り上げてみます。(~は、伸ばしたり伸ばさなかったりするので、とりあえず書いてみました。伸ばさない方が語気が強いです。逆に伸ばすとちょっと呆れたとか飽き飽きした感じがでます。)

これは、動詞の内容を急かすとか急いで行うように命令する意味がありますが、全ての動詞で使うわけではありません。語源としては、おそらく「早く」の「は」以外の分が下略されたものと思われます。

今では、あまり言われなくなりましたが、なんか面白いですし、標準語としては、適当な表現がないので、今後滅びていくかもしれないので、ここに記載しておきます。

【例】

寝ろは(寝ろ+は。早く寝なさい。Neroha)

けれは(帰れ+は。早く帰りなさい。Kereha)

きゃせは(返せ+は。早く返してください。Kyaseha)

やめろは~(止めろ+は~。もう止めなさい。Yamerohaa)

等々、いろんな動詞で使いますが、どんな状況で使うかによって、活用語尾も異なったりします。いずれ忙しいことに変わりはありませんが、最後のはちょっと呆れた感じです。

 

まぁ、せぐのハわがっとも、あんまりあじゃらにしねほがいいんだべな(^^;

 

 
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てびらんこ 【方言】

2015-05-29 | 岩手県奥州市の方言

だいぶ暑くなって来ましたが、キャベツなどの野菜がどんどん大きくなっています。

するってぇと、畑の周辺をパタパタ飛び回るのが、モンシロチョウです。そうこうするうちに、夕食時の家の電球にもいろんな蛾が迷い込んできます。

そんな季節の一般的な家庭での会話(^^;

 

母:ありゃ!てびらんこ へってきた。皿っこさへっとげねがら、早ぐおせでけろ!

(Arya Tebiranko hettekita. Sarakkosa hetto genegara hayagu osedekero!)

(あれ、小さな蛾が入ってきた。お皿に入ると気持ち悪いから、早く捕まえてちょうだい!)

父:(めんどくさそうに)んなーーー、てびらんこくしぇ、なしてもね~。

(nnaaaa, Tebirannko kusye nashitemone)

(なんだよ、蛾ぐらいで、、、なんともないよ~) といいながら、捕まえる。

 

てびらんこは、小さな蛾や蝶を表す方言で、大きなものにはあまり言いません。

語源は、羽の動きが手をひらひらさせる動きと似ていることから来たものと思われます。

古語としては、平安時代に編まれた「新撰字鏡」に「加波比良古 カハヒラコ」として蝶が出てきます。これは、蝶が河原でひらひらと飛んでいることから言われたものと思われ、ヒラコの分が、今日に残されたもののようです。

 

幼いころ、勉強もしないで遊んでばかりいると、

おらぇのわらし、てびらんこみでぇに、ぱたぱたって遊んでばりいる

なんて、言われたものです。

大人になっても、はやはやってちょどしてねぇど、「てびらんこみでだな!」なんていわれます(恥

 

「炎舞」速水御舟



 
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