「げね」と言う言い方は、岩手県でも奥州市周辺でしか聞いたことがありません。
私が高校まで過ごした盛岡や北上・花巻では聞かないので、伊達の言葉かと思っていたのですが、宮城でも使わないようです。宮城県北から岩手県南の内陸の伊達藩内の言葉は、大体同じようなものですから、ちと不思議な言葉です。
意味は、「良くない」とか「気の毒」とか物事の品質や内容が悪くなる様を表します。
【用例】
1 (葬式等で)なんたらげねがったね。(Nantara genegattane)
なんとまぁ、お気の毒でしたね。
2 ありゃ こいずげねぐなってらじゃ。(Arya koizu genegunatteraja)
あれ、これ悪くなってますね。(主に、食べ物が饐えた状態になること)
語源としては、一般的には「芸がない」とか「下がない」といわれていますが、用法からしてイマイチしっくりしません。おそらく古語の「験なし」から転じたものと思われます。
古語辞典には、「験なし」=(加持・祈禱の)効き目がないと出ています。
鹿児島の方言にも、「げんね」(恥ずかしい)がありますが、同じ語源ぽいですね。
全国アホ・バカ分布考
にもでてくるように、京都で生まれた言葉が同心円状に地方に残る傾向がありますが、「げね」も同じなのかもしれません。
それにしても、期待していた人が、そうでもなかったりすると、げねどがきゃねどがはっぱりなんて言われんだよね(^^;
「げね」は「ぎゃね」と言ったりもします。諸説ありますが「我意ない」が訛ったと聞きました。そこに自分の意見が無い、自分の意とは異なる、なので残念だと司会業もこなす水沢の先輩が仰ってました。
諸説ありますね。いろいろ比較検討してみるのは面白そうです。