Que ma vie est belle!

私とは、美しいもの、美味しいもの、楽しいものの集合体。

古典絵画館、再び@ドレスデン

2009-05-23 22:00:00 | ヨーロッパ

こんなにすぐに戻ってこられるとは思っていなかった、古典絵画館。イタリア旅行の後だけに、イタリア物に前回より時間をとった。

ミケランジェロ。

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まるで日本の少女漫画のようではないかしら。長い美しい睫、透き通った肌。顔色の微妙な色合いなど、殆ど

「巻頭カラー」

でも値段は、priceless?

フェルメール(イタリア物ではないけれど)

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結局前回と同じ絵にスタックされているだけなのだけれど。何が画面に動きを与えているのか?といえば、少女の目から頬にかけてのわずかな影。こんな一筆が見る人の目を少女の顔、特に手紙を読む目から手紙へと動かすのだろう。

フェルメールは題材の選ぶにあたっては人間心理を、絵を描くにあたっては見る人の生理まで十分心得ていたように思われる。恐ろしい人だ。

ラファエロ

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フランスの高校生の団体さんと一緒になる。先生の説明を、こっそり盗み聞き。そう、三角形の構図。仰るとおり。離れてみると余計に良く分かる。

どれ程見ても、見飽きることがない。ガラスで保護されているので、目の前のソファに座るとマドンナの辺りが丁度光ってよく見えない。少し距離を置くと、光らないかわりに、細かい表情を見ることができない。

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この絵は、もともとどんな場所に、どんな高さで置かれていたのだろう?マドンナは、常にこうして見上げなければならない位置にいたのか。彼女らの顔を、至近から見ることは、通常誰にも出来なかったのだろうか。


ドレスデン-観光はお天気次第

2009-05-23 20:00:00 | ヨーロッパ

前回のドレスデンは、雨模様だったけれど、今回は良いお天気だった。

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前回内部を見ることが出来なかった聖母教会。

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内部は白を基調としてかわいらしい感じ。使われている石が大理石でないので、案内の方に伺ってみたら、破壊される前もそうだったらしい。決してお金持ちな教会ではないのね。

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季節柄か、大変な人出。前回のドレスデンとは大違い。

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こんな陽気ならば、クルージングも良いかもしれない。

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Semparopar前の広場。

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どんなお天気、気候のときに訪れるかで街に対する印象は大きく違う。


ドイツ鉄道の旅@ドレスデン-ベルリン

2009-05-23 16:00:00 | ヨーロッパ

今回も、ベルリン-ドレスデン間は鉄道を利用。ロンドンの汚さに慣れると、ベルリン駅の清潔さは、思わず写真を撮りたくなるほど。

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機関車に連結されてはいるけれど、指定席は各席電光表示なのである。便利な世の中で、この席もドイツ鉄道のHPで予約。事前に予約すれば、ベルリン-ドレスデン往復一等車で58ユーロ(便による+指定代、といっても片道2-3ユーロだった)。

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定刻どおり、ドレスデンに無事到着。どうやらここでこの機関車は取り外されるようであった。この電車自体はブダペスト行き。いつか終着駅まで乗ってみたい。

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ヴィルデ・フラング@ロイヤルフェスティバルホール

2009-05-23 01:30:00 | コンサート

ウラディーミル・ユロフスキ指揮、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団、ヴァイオリン独奏:ヴィルデ・フラング。2009年5月22日、ロンドン、ロイヤルフェスティバルホールにて。

Grieg: Peer Gynt: Suite 1

Vaughan Williams: The Lark Ascending

Ravel: Tzigane

Holst: The Planets

Vladimir Jurowski: Conductor

Vilde Frang: Violin

London Philharmonic Orchestra

ペールギュント第二曲「オーセの死」では、弦楽器群が弱音器をつけるのにあわせ(?)指揮者も指揮棒を置き、手で振る。なかなか美しい。この指揮者は「眼」で指揮をするようである、が、

怖い。

そんなに睨まなくても大丈夫だと思う。

友人から紹介されたVilde Frangのヴァイオリン。今年23歳という若いフラングは黄色のドレスと共布のバンダナで登場。演奏はプロモーションCDで聴いたのと同様ダイナミック。ピチカートやフラジオレットを多用する曲が得意なのか。音量も豊かでトリルも早い。今回は小品2曲だったので、是非大曲の演奏を聴いてみたい。今年3月にレコーディングしたプロコフィエフ、シベリウス協奏曲のCDが2010年の早い時期にリリースされるとのこと。楽しみである。

後半はホルストの惑星。有名な「木星」では、指揮者のテンポ設定が早く、金管がそのテンポを掴みきれていないように感じられた。通常演奏されるのと少し異なるテンポをとる場合、そのテンポで最初に主題を弾く(吹く)人と入念に打ち合わせ/練習しないと悲劇。ホルストの曲はなじみやすいけれど、少々オーケストレーションが単純に感じる。イギリス人向け?(失礼!でも愛国的賛歌として親しまれているし、強ち的外れでもない?)


静寂も音楽の一部@内田光子

2009-05-20 23:58:51 | コンサート

内田光子、ピアノリサイタル。2009年5月20日、ロンドン、ロイヤルフェスティバルホールにて。

Mitsuko Uchida: Piano

W.A. Mozart: Rondo in A minor K.511

A. Webern: Variations Op.27

L. V. Beethoven: Sonata in A Op.101

R. Schumann: Fantasie in Op.17

考えてみると、とても久しぶりのピアノリサイタル。

ロンドが始まって、ピアノの演奏会はまるで水墨画のように、静寂(白紙)も音楽の一部なのだ、と気づく。このところ、騒がしい(失礼!)オケばかり聴いていたし、ヴァイオリンなんて、大きく煌びやかな音が出てなんぼ、のような聴き方をしていたので、広いホール全体に水を打ったような静けさがとても新鮮に感じられた。

ウェーベルンは、ご免なさい、良く分からない。アンコール1曲目(誰か分からないけれど無調系の曲)はかわいらしい曲だった。

ベートーベンは演奏会向きの演奏であるように-彼女の同曲のCDよりさらに表情や弾き方の変化が大きく-感じられた。内田光子は、ピアノに向かうと、とても叙情的だと思う。メロディアスな部分は、まるでシューマンやシューベルトのようにすら聴こえる。彼女はプログラムの中で、ベートーベンとシューマンを同時に取り上げた理由として「主音」をあげているが、この美しいメロディにあるのかと思ってしまった。

後半はシューマン。これも「歌」の美しさと、激しさのmixされた演奏。それにしても、若い。既に60歳を過ぎているというのに。彼女は演奏を始めると本当に妖精のよう。最近、80歳近いおじいちゃん達の指揮を見て、若い演奏家を発掘しなくちゃ、なんて思っていたけれど、彼女のような演奏を聴くと、年齢ではないな、と思う。まだまだこれから、頑張ろう。


ムローヴァ@ロイヤルフェスティバルホール

2009-05-17 02:22:59 | コンサート

パーヴォ・ヤルヴィ指揮、フィルハーモニア管弦楽団、ヴァイオリン独奏:ヴィクトリア・ムローヴァ。2009年5月16日、ロンドン、ロイヤルフェスティバルホールにて。

Dvorak: Carnival Overture, Op. 92

Brahms: Violin Concerto in D, Op. 77

Tchaikovsky: Symphony No.5 in E minor, Op. 64

Paavo Jarvi: Conductor

Viktoria Mullova: Violin

Philharmonia Orchestra

ドボルザークが意外と良い出来で楽しむことが出来、期待が膨らんだ。

ブラームスのヴァイオリンコンチェルト。この曲に憧れてヴァイオリンの先生の門を叩いたが、最初のレッスンで(曲のことに触れなかったにもかかわらず)いきなり先生から「ブラームスのコンチェルト以外なら弾けるようになるでしょう」と言われた因縁(?)の曲。

席はまたしても最前列、ヴァイオリンの真前。ムローヴァの音はとても美しく聴こえ、楽器は何を使っているのか知りたかった。プログラムにはガダニーニかストラドのどちらかを使う、とあって、そのどちらだったのかが分からない。S席で聴いていた友人達によれば、それ程音が出ていなかった、とのこと-ガダニーニだったのだろうか?気になる。

第1楽章の前奏、ソロの入る少し前で、ムローヴァは徐にオケと一緒に弾き出してびっくりした。肩慣らしなのだろうが、こういうのってあり?と思った(中間部分で暇つぶし(?)にソロがオケパートを弾く、という話は聞いたことがあるが)。また目で譜面を追いながら弾いていて、これも「協奏曲のソロでこれあり?」である。譜面を追っているからか、演奏は機械的に思われ、なんと言うか魅力に欠けた。また、トリルのスピードも速くなく(サラ・チャンを聴いたばかりだからそう思うのか?)ぞんざいに思われた。第3楽章では、どうもムローヴァがもたついているようにも聴こえたし、練習不足なのだろうか、それともやはり「ブラームスのコンチェルト」というのは並大抵の曲ではなく、納得行く演奏をすることは難しいのだろうか。

チャコ5は、取り立てて良くも悪くもない演奏であった。ホルンは客員奏者で、前半のプログラムではなかなか美しい音を出していて期待したが、第2楽章はそれ程印象に残る演奏ではなかった。第4楽章、最後はかなりな速さになり、チェロはとてもしんどそうに見えたと思ったら、終了後お互いの健闘を称え合っていたようだった。

感動する演奏、とは何だろう?何かがいつもと違うから、特別感動するのだろうけれど、例えばテンポを上げて、エキサイティングに超絶技巧を誇示しても、あるいは逆に歌うところをゆっくり目に思いっきり歌ってみても、そのテンポであることの必然性を聴き手が(無意識に)感じられなかったら感動はしないだろう。何かが通常とは違いながら、しかし必然性のある演奏-それは計算ずくで出来るのか。あるいは「直感=天才」だけが成し得る技なのか。


パピヨン@ロンドン

2009-05-17 01:21:36 | レストラン

友人達とコンサート前に遅い昼食(早い夕食?)。サウスケンジントンにあるパピヨンにて。

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アスパラガスのパンナコッタ、ポーチドエッグ、バルサミコソースとあった。黒胡椒が効いてパンナコッタは美味。アスパラガスが茹り過ぎなのと、ポーチドエッグの水分が取り切れていなくて水っぽかったのが残念。

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友人の選択のテリーヌ。これも美味しかったとのこと。

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メインは鶉。焼いた野菜のテリーヌも美味。ソースをもう少し欲しかった!!

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そして、デザートは勿論別腹なので。フランボワーズのミルフィユ。シャーベットが滑らかで大変美味しかった。

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友人の選択はフォンダンショコラ。ちゃんと中がとろけていて、これも美味であった。

最後、エスプレッソで締めて、美味しく楽しい食事ができた。


ドホナーニの柳の下にドジョウは何匹?@ロイヤルフェスティバルホール

2009-05-14 23:52:42 | コンサート

ドホナーニ指揮、フィルハーモニア管弦楽団、チェロ独奏:デイヴィッド・コーエン。2009年5月14日、ロンドン、ロイヤルフェスティバルホールにて。

Beethoven: Overture, Coriolan, Op.62

Dvorak: Cello Concerto in B minor, Op.104

Brahms: Symphony No.1 in C minor, Op.68

Christoph von Dohnanyi: Conductor

David Cohen: Cello

Philharmonia Orchestra

日曜日にドホナーニの指揮を堪能したので、大好きなドボコン&ブラ1(って言う?)だし、ということで、大枚を叩いて正面中央に陣取った、

が、

こういうときは大抵失敗するものなのである。

ドボコン。コーエンは、下手とは言わないけれど、

1.音に深み(豊かさ)がない:使用楽器の性格もあるのかしら?(1735年製のDominico Montagnana)煌びやかな音が好きな私には物足りなかった。

2.第一楽章の最初の方で何回か音を微妙に外していたように思う

3.弓が弦から離れた状態からアクセントをつけて弾くと、タイミングが遅れ、第一楽章ではリズムが違うかのように、第三楽章では遅れるように聴こえたのは私だけ?

良い点は、弓を弦から離す時がなんだか綺麗(あんまり誉めてない?)。

チェロは大好きな楽器なので、どうしても辛口かしら?これだけホールが大きいと、コンチェルトは大変かもしれない。

演奏を聴きながら、遥か昔堤剛さんと共演させていただいた時、リハで彼のあまりに美しい音に泣いてしまったことを思い出していた。あんな感覚を再び経験する日はあるのかしら。

ブラームスは、少し速い印象。ドボコンでもそうだったけれど、ホルンが出色の出来。土曜日のチャコ5(って言う?)の第二楽章、この方かしら?また楽しみができた!!二匹目のドジョウになりますように!


ドホナーニ@ロイヤルフェスティバルホール

2009-05-11 00:56:33 | コンサート

ドホナーニ指揮、フィルハーモニー管弦楽団、ピアノ独奏:ジョナサン・ビス。2009年5月10日、ロンドン、ロイヤルフェスティバルホールにて。

Mendelssohn: Overture, Calm Sea and Prosperous Voyage Op.27

Shumann: Piano Concerto in A minor, Op.54

Dvorak: Symphony No. 9 in E minor, Op. 95 From the New World

Christoph von Dohnanyi: Conductor

Jonathan Biss: Piano

Philharmonia Orchestra

オケは2軍だし、客席は半分くらいしか埋まっていないし、どうしよう、と正直思った。やっぱり時間とお金を無駄使いしてしまったかなぁ、とすら思ったのだが。。。

シューマンのピアノ協奏曲は、いい曲だと思った。先日、シューマンのピアノトリオを聴いてシューマンを見直したが、今回も。ちょっと、ちゃんと聴いてみないといけない、と反省。

さて、楽しかったのは後半。ドボ9なんて、それだけで演奏会へ行かないものであるが、かつてFMなどでよく名前を聞いていたドホナーニ(私の中ではドボナーニだが)の指揮を一度見てみたかったのだ。でも、彼が既に79歳だなんて(今年80歳)-アルゲリッチではないけれど、若い時の格好良い写真に騙された。

ところが、ドボ9の演奏、なかなかどうして。79歳とは思えない。先日のマゼールと一緒だ(彼も79歳)。きちんと暗譜していて、演奏者にびしびしと指示を出す。木曜日の演奏会では、指揮者を殆ど無視していたオケだが、これだけびしびし指示を出されては、無視もできまい。有名な曲だし、客席も楽しんでいるのが分かる。特にコーラス席の面々は、指揮者が見えるし、音は近くから聴こえるし、みんなノッていた。

指揮者を見ると、どうしても仕事を思い出してしまう。Project Managementに必要な大切なことを思い出させてくれて、ありがとう。やっぱり、指揮者はすごい、格好いい!!またコーラス席に遊びに来よう。