◎ジェイド・タブレット-10-28
◎垂直上昇への仕掛け-28
◎大逆転と倒立-7
◎人間存在の本質、エネルギーの本質
ドン・ファン・マトゥスは、メキシコのヤキ・インディアンのソーマ・ヨーガのマスターにして、カルロス・カスタネダの師匠。カルロス・カスタネダのシリーズ本は、40年くらい前の大型書店の精神世界コーナーには10冊くらいは並んでいて、薬物冥想本なのに壮観な眺めだったものだ。
薬物冥想と言えば、どうしても文化人類学者の研究で薬物を服用したシャーマンが霊界めぐりをするネタが多く、それに目をくらまされがちなものである。
だが、ドン・ファン・マトゥスには、霊界巡り、アストラル・トリップに見える記述もあるが、それにこだわりを持たないところに注意すべきところがある。
彼の宇宙では、絶対者イーグルと、そうではないトナール、ナワールが代表的なパワーの代名詞として登場してくるが、必ずしもそれにこだわっていない。つまり世界をどう見るかが見る側の自由な裁量によるという基本線がある。翻って現代社会とは、同じ現代社会としての見方をする人間が集まっているから同じ土俵での議論と生活をしているように見えるだけで、本来社会の見方は、もっと自由に見る見方が許されるのだ。
つまり人間とは、クンダリーニのエネルギー・コードだけが、どんな宇宙、世界でも共通らしいが、それが作り出す現象をどのような社会、どのような世界として認識するかは、本来自由なのだ。
悟りへの冥想修行のかなりの部分は、そうした先入観を壊していくことから始まる。カルロス・カスタネダのシリーズでも、それを手を変え品を変え何度も繰り返し、深めてゆく。
そしてその努力は、最後には、自我の死を迎え、自由な世界の見方というところに行きつく。もっとも、この表現だと見ている自分を残しているが、勿論最後は見ている自分などないところに入る。
以下の引用文では、世界認識とは、集合点を直接貫くエネルギー糸(クンダリーニか?)が形成する認識形態のことだと表現している。
古代のシャーマン(呪術師)たちが見た夢見の5つの特徴。
『
1.彼らは集合点を直接貫くエネルギー糸だけが首尾一貫した知覚を組み立てていることを見た。
2.彼らはたとえちょっとした移動でも集合点が別の位置に移動すると、異なった別のエネルギー糸がそれを通りはじめ、意識を拘束し、その見慣れぬエネルギー場の集合を安定させて首尾一貫した知覚にすることを見た。
3.彼らは、普通の夢の途中で集合点が容易にみずから輝く卵のなかや、表面の別の位置に移動するのを見た。
4.彼らは集合点を輝く卵の外の、宇宙のエネルギー糸の位置へ大きく動かすことができるのを見た。
そして五つめに、彼らは、鍛練によって睡眠と普通の夢の途中で集合点の整然とした移動を行い、発展させることが可能だということを見た。』
(夢見の技法/カルロス・カスタネダ/二見書房P33-34から引用)
ダンテス・ダイジは、臍下丹田スワジスターナ・チャクラに「自由」を充てているが、「自由」とはそういうものなのだと思う。
前提:
『宇宙の本質は、あらゆる方向に無限に延びている白熱した糸に似ているというのだ。その輝く糸は人間の頭では理解できない方法で自身を自覚している』(上掲書P18から引用)
『古代の呪術師は人間存在の本質、エネルギーの本質を見た。かれらは人間存在の本質を巨大な卵に似た輝く姿として描写し、輝く卵と呼んでいる。』
(上掲書P18から引用)