五十坂・登りきらずに下り坂

とうとう56才になりました。
ほとんど年寄りと女子供しか
回りにいません。
そんな日常を綴っています。

介護施設職員の本音

2015-11-10 22:54:32 | 仕事
私の仕事場の施設のご利用者様が亡くなりました。

朝、布団の中で亡くなっていたそうです。

その方は、もう85才も過ぎた男性の方でしたが、
認知症があるものの、身体の方は丈夫な方でした。

はっきり言ってこの方、一番手のかかる方でした。

昔の仕事の話をしていたりすると、
心だけワープして、時に30代、時に50代に戻って、
「こんなところでこうしてはいられない」
と、帰らなければいけないと必死でした。

あの手この手で引き止めるのですが、
言う事を聞かない餓鬼よりまだ大変です。
騙しがききません。

施設の方針で、玄関に鍵はかけていません。
開放されています。

今、福祉施設で暴力事件とか耳にしますが、
私の知っている限り、
暴力は受けても、こちらから手を出す事はまずありえません。
拘束もしてはいけません。

そのような人を介護しなければいけないのこっちも必死です。

この方が亡くなったと訃報を聞いたときは、
正直、「あと来ないんだ」とほっとしました。
それが本音です。

家でもしょっちゅう徘徊し、見守り隊や警察にご厄介になっていらしいから、
ご家族も内心ほっとしているのではないでしょうか。
年に不足はない大往生だしね。

施設長が、以前「あの人は先が長くないんじゃないかな。
死が近くなると、遣り残したことをやろうと急に元気になったりするんだよ」
と言ってました。

私は、あんなに元気なのに、亡くなるはずはない、
と、そのときは話半分に聞いていましたが、
その説は本当だったんだろうか。