ケアハウス ラポーレ駿河ってこんな処

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世界大会13連覇

2012年09月29日 | 気になるネタ

28日、レスリング女子の世界選手権で五輪と合わせた世界大会13連覇を達成した55キロ級の吉田沙保里(ALSOK)。「霊長類最強の男」と呼ばれたカレリンの世界大会12連覇を超える空前にして恐らく絶後の大記録は、閑静な田舎町の小ぶりな会場で達成された。

 吉田に舞台の大小は関係ない。米国選手との決勝は開始52秒、身軽な体さばきで手早くフォールに仕留めた。1回戦から4連続フォール勝ち。終了のブザーに右のこぶしを振り上げ、日章旗をなびかせマットを1周した。「世界一になったんだといううれしさがこみ上げてきた」。上ずった声が、歓喜の量を物語る。

    

 大記録へと疾走できたわけではない。五輪後の1カ月半、日常は灰神楽が立つほどあわただしかった。イベント出演や関係者へのあいさつ回りに追われ、練習拠点の愛知と東京の往復続き。今大会に向けた追い込みは16日から行われた強化合宿の6日間でしかない。

 五輪直後とあって、有力選手の名はトーナメント表になかったが、「楽な相手は1人もいない」(吉田)。準決勝では今年の欧州選手権覇者のシニシン(ウクライナ)に投げ技で裏返され、第1ピリオドを失った。そのとき、吉田は「日登美先輩を思い出した」という。

 ロンドン五輪女子48キロ級を制した小原日登美(自衛隊)も、決勝は第2、第3ピリオドを連取して逆転勝ち。「同じ状況だと思った。気持ちさえしっかり持てば」。窮地で震えるということを知らない。シニシンから第2ピリオドを取り返し、第3ピリオド終盤でフォール勝ちした。

 長年の“勤続”で、神速のタックルは各国の研究にさらされ丸裸。入る角度や前段の組み手に腐心し、何度もタックルに手を加えてきた。寄る年波との戦いも。変わりゆく自分、変わりゆく敵の中で「変わらぬ強さ」を保つ道の険しさを、しかし吉田はむしろ楽しんでいるようでもある。

 今後を問われてひと言。「来年はV14を目指す。目標はどんどん作っていくものだし」。来月5日で30歳。自身を縛り続ける宿命のくびきは、すでに体の一部なのかもしれない。


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