2020年5月のブログです
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神田橋條治さんの『精神科診断面接のコツ』(1984・岩崎学術出版社)を久しぶりに読みました。
この有名な精神科臨床の面接の名著、じーじも家裁調査官の時代から何度も読んで参考にさせていただいていますが、感想文は初めてです。
このまるで宝箱のような本を再読して、今の力量で何をどう感じるのか、自分で確かめてみたいと思いました。
あいかわらず、付箋とアンダーラインだらけで、少し整理をしながら読み進めました。
あくまでも、今の時点で印象に残ったことを一つ,二つ。
一つめは、読んでいて思い出したのですが、ごく近い未来を予測することの大切さ。
その後、この予測と結果を比較することで、面接や診断の善し悪しがわかり、面接の技術が上がるといいます。頷けます。
二つめは、いつでも、あと5分で面接を終われるような面接をせよ、ということ。
これは、面接が即治療であるということからくる必然性のように思われます。
また、いま、ここから、を大切にして、そこからだんだんと話を広げる、ということとも関係してくるようです。
三つめは、「なぜ」という問いをできるだけ使わないことの大切さ。
「なぜ」を使わないだけで、質問がより丁寧で細やかなものになる、といいます。
これはなかなか難しいことですが、記憶に誤りがなければ、成田義弘さんなども、「なぜ」よりも「どのように」などの言葉を勧めていた記憶があります。
その他、メモなしで面接をして、記録を書き、後で録音と比べる方法や仮説をたくさん考えることなどは、調査官時代の指導官だった山野保さんからも教わったことがあり、懐かしい修行方法でした。
さらに、勉強をしていこうと思います。 (2020.5 記)
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2022年2月の追記です
再読をしていたら、神田橋さんが、面接室外での面接について、述べられているところに気づきました。
その場合、医師と患者さんが横並びになって、前方にぼんやり目を向けていると、患者さんの不安が起こりにくい、とあります。
じーじの公園カウンセリングも、それなりに理にかなっているんだなあ、と改めて思いました。 (2022. 2 記)
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ゆうわファミリーカウンセリング新潟(じーじ臨床心理士・赤坂正人・個人開業)のご紹介
経歴 1954年、北海道函館市に生まれ、旭川市で育つ
1977年、ある四流私立大学文学部社会学科を卒業、浦和、新潟家庭裁判所などで家庭裁判所調査官として司法臨床に従事する
2014年、定年退職間際に放送大学大学院(臨床心理学プログラム・修士)を修了
2017年、臨床心理士になる
仕事 個人開業で、カウンセリング、心理療法、家族療法、遊戯療法、メールカウンセリング、面会交流の援助などを研究しています
学会 精神分析学会、遊戯療法学会会員
論文「家庭裁判所における別れた親子の試行的面会」(2006・『臨床心理学』)、「家庭裁判所での別れた親子の試行的面会」(2011・『遊戯療法学研究』)ほか
住所 新潟市西区
mail yuwa0421family@gmail.com