たぶん2016年のブログです
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藤山直樹さん、松木邦裕さん、細澤仁さんの鼎談、『精神分析を語る』(2013・みすず書房)を再読しました。
ちょっと前に読んだつもりでしたが、本棚にあった本をよく見ると2013年11月の発行で、そういえば精神分析学会の書籍売り場で買ったんだっけ、と思い出しました。
当時のブログもありますが、少し短い文章でしたので、今回はもう少し追加してみます。
再読をしてみた印象は、やはりすごい!です。
三人とも、それぞれの思いをかなり正直に話されているのが印象的で、初学者にもとても参考になります。
精神分析の大家は、ご自分の失敗も含めて、臨床での思いや考えや感情をていねいに記されるのが特徴と思いますが、それがよき実践のためには大切なのだろうと思わされます。
特に、藤山さんはふだんから飾りのない正直な発言が魅力的ですが(藤山さん、ごめんなさい)、この本でも藤山さんらしさが全開で、楽しいです。
藤山さんにとって、『落語の国の精神分析』(2012・みすず書房)がとても大切な本だということもわかりました(この本についても前にブログがありますので、よかったら参考にしてください)。
圧巻は、細澤さんのケースを藤山さんと松木さんがコメントをするという贅沢な企画で、藤山さんと松木さんの読みの深さが際立ちます。
同じ資料を読んで、大家は、ここに注目し、こう介入し、こう解釈をし、こう返すのか、こう明確化をするのか、ということがリアルタイムで示されます。
こんな贅沢はなかなか体験できません。勉強になります。
今年も精神分析学会が待ち遠しくなりました。 (2016?記)
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2020年12月の追記です
本棚を眺めていたら、読んで!読んで!という感じがしたので(?)、久しぶりに再読をしました。
やはりすごい本です。
専門書を読んで、こころから感動できることはそう多くはありませんが、この本はじーじにとって、そういう一冊です。
今回も、藤山さんと松木さんの正直な語りに本当に感心させられました。
また、お二人が精神分析に出合うお話なども感動ものです。
さらに、やはり事例検討のお二人の理解もすごいです。
じーじも以前よりは少しだけ理解できる箇所もあるように思いますが、やはり同じ資料でこれだけ深く理解できるお二人には尊敬しかありません。
さらに勉強を深めたいと思います。 (2020. 12 記)