弁理士『三色眼鏡』の業務日誌     ~大海原編~

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【知財記事コメント(著作権)】遵法精神は大事よ、それはもちろん。

2021年02月08日 07時40分42秒 | 知財記事コメント
おはようございます!
昨日とはうってかわって曇天模様の@湘南地方です。

空気は徐々に春…と思ったら今日は逆戻りで冷たい風が事務所に吹き込んできます。
まあこうやって行きつ戻りつして季節は移り変わっていくわけで。。。ひとまず鼻がムズムズします。
明日病院行ってお薬処方してもらおうと思います。

さて、今日はこんな記事
(東京新聞より引用)
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動画投稿 無許可NG 著作権法守って 読み聞かせ配信も注意

新型コロナウイルスの影響で家で過ごす時間が多くなり、動画投稿サイト「ユーチューブ」を利用する人も増えたのでは。ただ、投稿する前に、ルールをよく理解することが大切だ。無許可でCDをバックミュージックとして流したり、ゲームを解説しながら実況したり、絵本を読み聞かせたりすると著作権法違反となる可能性がある。 (細川暁子)

アイドルグループ「HKT48」への楽曲提供など、作曲家と弁護士の二つの顔を持つ高木啓成(ひろのり)さん(40)=第二東京弁護士会所属=は「ユーチューブでの音楽の利用には注意すべき点が多い。『著作権』と『著作隣接権』の違いをまず理解する必要がある」と言う。
(以下略)
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(引用終わり)

「作曲家と弁護士の二つの顔」かぁ、、、そうありたいものだなぁ。
それはさておき。

著作権法を判りにくくしている理由は色々あると思う。
条文の構造そのものもなかなか厄介だし(「著作隣接権」と言われてもフツーの人はまずピンとこない)。
・法改正も結構頑張ってやっているのだけど、現実世界のIT・通信・メディアの多様化のスピードが速すぎて、
 古い物差しで適法/違法を判断しなければならない状況もある。
・あと、“違法”な状態が野放しにされている、というか対応が追い付かない状況があるというのも。
・加えて、表面上「権利者の許可」を得ているのかは一般の第三者にはわかりにくいため、違法なのかそうじゃないのかということが一層分かりにくい、という面もある。

あと、これは賛否両論あると思うのだけど、
権利が強すぎ」問題もあると思う。
総クリエイター時代になって、でも主体によって権利の強弱があるわけではないから(権利行使の巧拙はあると思うが)、
多かれ少なかれ“違法”な行為は日々そこかしこで生じている。
尊重されない規範は空虚化する傾向にある。存在根拠の希薄な、有名無実な校則とか。
平たく言えば、“それくらい目くじら立てなくたっていいんじゃない?”という行為もあるようにも思う。
(いや、権利者からすれば冗談じゃないのだろうけど、それにしたって規範上定められている効果が大きすぎるケースもある。)

個人的には、権利者側の方が「このコンテンツは一切勝手に使わないで」とか、「一言くれたら常識的な範囲で好きに使ってよいよ」とか予め分かるようにしてくれていたら、利用も進むしよりよい新たなコンテンツが生まれるのでは?と思う。「クリエイティブ・コモンズ」の考え方がほぼほぼ近いのだけど、、もう一つ存在感を感じないのだよな。

制度がクリエイティビティを萎縮させる、というのは何とも本末転倒だと思っている。
いや、どこちゃらの政治家が某アニメのビジュアルパクッたポスター使うのとかは全然アウトよ。
あーいうのは「クリエイティビティ」じゃない。


さてさて、今週も一週間頑張ります。
コメント
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