弁理士『三色眼鏡』の業務日誌     ~大海原編~

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【知財記事(主に特許)】スタートアップの資金調達に知的財産権の活用を

2021年02月16日 16時26分41秒 | 実務関係(特・実・意)
もうすっかり夕方。こんにちは。
荒れ模様な@札幌です。

諸々あって、やっとリズムが取り戻せた今日という日。
ここから巻き返しに行こうと思います。

さて、今日はこんな記事

(JETRO Webサイトより引用)
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デット・ファイナンスに向けて果たしうる役割とは(世界、日本)
スタートアップの資金調達に知的財産権の活用を(前編)

スタートアップにとって資金調達の成功は、事業を成功に導く上で極めて重要な経営課題だ。資金調達には、売り上げを増大させ、経費を削減した結果、自社内で生じる内部留保によるもの(内部金融)と、外部から新たに資金を調達するもの(外部金融)がある。また後者の外部金融には、借り入れにより負債を増大させる形式の資金調達を意味するデット・ファイナンスと、新株を発行して自己資本・株主資本を増大させる形式の資金調達を意味するエクイティ・ファイナンスに大きく分類される。


そこで、先進国の状況を見てみると、特に米国や欧州などでは近年、デット・ファイナンスにあたって知的財産権の価値に着目した、知的財産担保融資が有望視されている。しかし、知的財産権は無形固定資産だ。その特有の問題として、(1)知的財産権は換価処分が難しい、(2) 担保権設定は多くの場合、譲渡担保によりを行わなければならない性質がある、(3)実施権を設定した場合を除き、知的財産権そのものがキャッシュフローを生み出さない性質がある、ことが指摘される。すなわち、知的財産権単独での担保権設定と融資には困難が伴うことになる。そのため多くの場合、有形固定資産としての製造設備などへの担保権設定を伴うかたちで知的財産権に担保権設定が行われ、融資が実行されている実態がある。
(以下略)
==============
(引用終わり)

…とここまで読んで、「あ、この記事読んだことがある」と思った。
前回の「パテント」に掲載されていたやつだ。

記事の中には、“金融機関から知的財産を保有している企業への融資の場合、一般に債務不履行が生じる割合が低い”
旨も言及されている。
…ま、このあたりは、「知財制度を活用することで収益性が高い企業になっている」からなのか、
「知財保有できるくらい資金繰りに余裕がある」からなのかは判然としない(記事は前者にポジティブな見解を示しているが)。

知財そのものの担保価値(換価性)、というよりは、他の担保の添担保として徴求することで
事業者が“(コケると何もかもなくなってしまうから)頑張る”、という効果があるんじゃないかな、と思うけど、どうなんでしょうね。
個人的には、少なくとも手間とコストをかけてまで知財で競争優位を実現しようとしているくらいだから
事業に対して「ハラが決まっている」→破綻しない、ということではないかと。
ま、要因は単一でも一方向でもないだろうし、知財は複合的に事業に有利に働きうる、ということで
ここはお茶を濁してみる。


コメント
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