弁理士『三色眼鏡』の業務日誌     ~大海原編~

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【商標】位置商標_カップヌードルの「キャタピラ」

2018年07月03日 08時11分58秒 | 実務関係(商・不)
おはようございます!
朝からプールに行きたくなる全快青空!な湘南地方です。
(…最近、冒頭のお天気挨拶がCDTVのオープニングみたいだな、と思った)


さてさて、新しいタイプの商標が着々と登録されてきています。
今日はこんな記事

(産経ニュースより引用)
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日清食品HD カップヌードルの帯型図形が位置商標として登録

日清食品ホールディングス(HD)は2日、日清食品の主力商品である「カップヌードル」の帯型の図形が、位置商標として登録されたと発表した。

この帯型図形は、通称「キャタピラ」と呼ばれる。グラフィックデザイナーの大高猛氏が手がけたもので、カップヌードル発売以来47年間、維持しているという。

(以下略)
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(引用終わり)

本日時点で位置商標の出願は計237件、うち既に登録されているのは51件。
上記が登録されたのは2018年4月6日なので、異議期間を経過してからのリリース、ということかな…と思ったら公報発行は5月8日だからまだですな。
ちょっと本筋からは逸れるけど、この記事を書こうと思って「CUP NOODLES」の登録情報みてたら、指定商品は「第30類 ヌードル」でした。「中華そばの麺」ではなく「ヌードル」。まあ、確かにラーメンじゃないものなぁ。

当該位置要素のみに基づいて出所が認識される程度に需要者に広く認識されていることが要件の一つではあるところ。
難しいよなあ、といつも思うのは、そこでの「需要者に広く認識」の立証にあたっての販売実績の位置づけ。
実際の使用態様としてはその要素だけを用いているわけではなく、他にも標識として機能する要素(例えば本件なら、「CUP NOODLES」の特徴的なロゴ)と常にワンセットで用いている。有名になるのは、特定の要素に依存して、というより、全体としてこんな雰囲気のパッケージ、として認識されるのが実際かな、と。その“全体としてこんな雰囲気のパッケージ”の中に含まれる複数の要素の中の一つは、当然ながらそれ単体で有名なわけではないけど、その要素からそこはかとなく特定の商品や会社名を想起する状況は十分想定される。

①その要素が識別標識として積極的に認識される外観的特徴がある、ということが前提としてあるのか。
それとも
②“めちゃくちゃ売れてるあの商品は「こんな雰囲気のパッケージ」”という売上実績が先行としてあって、そのパッケージの要素一つをとっても“めちゃくちゃ売れてる”ことに起因して需要者に数多く認知される機会があるから結果的に識別標識として機能するようになる、という形で押し切って良いのか。

…ま、ぐちゃぐちゃと書いたけど、位置商標の制度が定着して本件のような登録事例も増えてくれば、部分要素に基づく識別性についての運用ももう少しこなれてくるのかなー、と思うのだ。
ユーザによる商品の知覚は多面的、かつ商品と識別標識の関係も1対1に限られないのだから、上記議論は②をベースに把握して良いと思うのだが。








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