獏の食わず嫌い

プロ野球を好きになってほんの45年です。阪神のせいでネガティブ根性が骨まで染み付いております。

読書の秋・宇津木魂を読む私

2008-10-27 21:50:57 | 読書
え~フィギュアスケートを観ながら宇津木妙子元ソフト全日本監督の著書「宇津木魂」を読んでおります。

ビジュアルの落差にクラクラします(^^;)

大変大変共感できる部分もあり、全く相容れない部分もあり(--;)
まあでも80パーセント位は共感できるかな?
楽しかったですよ。はい

帯には「合言葉は努力!根性!金メダル!」
とあるのですが、文中に竹槍精神的な表現は一切出てきておりません。

厳しい厳しいといわれる宇津木監督の練習ですが(脱走者もいたらしいので・・)
選手個々にカルテを作り、ソフトの能力はもちろん、性格・出身地・血液型(笑)・家族構成を書き入れ、
個別に面談を繰り返し毎日毎日食事から監視し(こりゃ選手はたまらんかっただろうな・・苦笑)この選手ならここまでと計算してやったことだったので、大きな故障者も出さず、(トレーナーには非難されたらしいけど)
ベテランや故障を抱える選手にはノック中に捕れないボールを打ち「罰だ!立っとけ!」と立たせて休ませ、選手間の不公平感も解消させると言う女性監督らしい細やかな気遣いに意外な面(ごめんなさい)を見た気もした(笑)


五人兄弟の末っ子で、とにかく我が強いと言うのも大変理解できるし、逆に結果が出れば皆が幸せになるのだから、途中で変に良い人になろうと我慢すれば良い事等無いと言うのも大変共感できる(私も思い切り末っ子ですけん)

あとで大きく歪む前に小さな歪みの内に小さい爆発を起こしておこうと言うのは私の普段からの考え方なのですが、やっぱり末っ子って考える事が似てるのでしょうかねえ(^^;)


そうして苦心して努力して周りとぶつかって作り上げた会心のチームがシドニーのチームだったのだけど、あのサヨナラ負けを喫した決勝の後で皆が泣きながら閉会式に出ようとしていたら、
最後に落球した選手が泣いてロッカーから出てこず、監督がロッカーのドアの前で
「いつまで泣いてるんだ!お前のエラーで負けたんだろ!」

と、滅茶苦茶大人気ない事を怒鳴って逆に選手たちに

「あのエラーは彼女だけのエラーじゃない!みんなのエラーだ!」
と言い返されたのにまた
「うるさい!」
と大変大人気ない事を言い返して大喧嘩になった件を読んで、最初は笑えてしょうがなかったんだけど、その光景を思い浮かべるとジワ~~~~っと涙が出てきて何だか止まらなくなってしまった(T-T)

選手が閉会式に出て行った後、更衣室に残って一人大泣きし、大声で恥ずかしいほど泣いた後「なんと良いチームを作ったのだろう」と思ったと書かれています。


でも、この人の本質は頑張ってエラーした選手に暴言を吐き、選手に諭されても尚言い返してしまう大人気なさに集約されてるなあ・・と思うとひどくシンパシー感じてしまったりして(^^;)


この大人気なさが有り得ない程の情熱や愛情をチームに傾ける原動力になっていると言う事が良くわかるのだ。

上野の欠点は「人に嫌われないところ」とか、「良い人になってしまっては金メダルは取れない」とか(笑)



NPBの偉い人はこの本を100回声に出して読んでからWBCに挑んでいただきたい。
いくら監督選手が優秀でも、機構が一枚岩で無いとトップに立つ事など不可能なのだ。



ちなみに
この本の文中に強大な敵としてσ(^^;)のハンドルNのモデルが何度も出てくるのが嬉しいやら申し訳ないやら・・・・・