晴乗雨読な休日

休日の趣味レベルで晴れの日は自転車に乗ってお出かけ。雨の日は家で読書。

ジョン・ル・カレ 『ナイロビの蜂』

2009-05-14 | 海外作家 カ
この前読んだフォーサイスの作品のあとがきで、フォーサイスのパートナーである
女性とのやりとりで、この女性が違う作品名をフォーサイスに尋ねるという失態を
してしまい、それでも、さすがハードボイルドなフォーサイス、その作品は私のでは
ないよ、まるでジョン・ル・カレに「ケインとアベル(ジェフリー・アーチャーの作品)」
のことを聞くようなものだ、と答えたというのです。

ル・カレ?聞いたことはあるのですが、まだ読んでいないので、古本屋に行って探し
てみたら、なんとこの『ナイロビの蜂』が上下巻セットで50円で売ってたので、こりゃ
ついてると購入。

アフリカのケニア、ナイロビに外交官として駐在するジャスティンは庭いじりの好きな
穏やかな中年。ある日、子どもほどの年の離れた妻テッサが、ナイロビから遠くにあ
る湖のほとりで殺されているのが発見されます。しかも、その隣には、まわりからは
不倫関係なのではと噂されるほど仲の良かった医師も同じく殺害されていました。

テッサは生前、ケニア大統領の政治腐敗による国民の貧窮を問題視しており、イギ
リス外交官の妻として赴任地の政治批判は避けるべきことなのですが、見過ごせず
に大々的に活動。
彼女が残したメモを頼りに彼女がなぜ湖に赴いたのか、なぜ殺されなければならな
かったのか、ジャスティンは使い物にならないケニア警察をあてにせず、独自で調査
をはじめます。

そして、調査を進めていくうちに、テッサがかつて妊娠中に入院していた病院(しかし
流産してしまう)で、同じ病室のケニア人女性の死に不審なことを感じたテッサと医師
は、結核治療薬の副作用による死亡なのではないかと思い、しかしその薬はまだ世界
的に流通しておらず、調べていくうちに、かなりずさんな実験や治験で強引に販売許可が
下りたことが判明、世界的に有名な製薬会社スリービーズ(3匹の蜂)は、ケニアで人体
実験をしているのではという告発文を作ろうとしていたのです。

その矢先の殺害事件。ジャスティンはイギリスに戻り、それからテッサと生前交流のあっ
た人を訪ねにドイツに行きますが、ホテルに帰ると数人が部屋にいて、暴行を受け、これ
以上調べるなと脅されます。さらに、かつてスリービーズで新薬の開発をしていた医師を
訪ねにカナダへ行くと、ここでも襲われるのです・・・

正直に書きますが、読みづらかったです。訳者の問題か、文章が頭に入ってこず、次の
ページをめくるのが億劫になることさえありました。
あと、原題は「THE CONSTANT GARDENER」ですが、ジャスティンが植物を愛でたり庭
いじりをしたり、というのがあまり印象的に描かれていなかった。
うーん、ストーリーは素晴らしかったのですが・・・
コメント
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