イギリス文学界の最高峰の賞のひとつであるブッカー賞を
受賞した作家ということであれば、さぞかし面白いだろうな
あ、という単純な想像をしてしまうのですが、カズオ・イシグ
ロはまだ読んでおらず、ブッカー賞受賞作『日の名残り』は
映画だかドラマだかを以前テレビで見ただけ。
表紙デザインのカセットテープがまずインパクト大(文庫は
わかりませんが)。そして物語の内容なのですが、序盤部
分から謎めいた世界観。登場人物のキャシーという女性が
介護職なのはわかるのですが、その介護される対象はとい
うと「提供者」という表現をされていて、なにを提供してなに
を介護するのか。
そして話は、キャシーの子ども時代になり、同年代の子ども
達が住む施設での友情や暮らしが描かれます。
そして、彼ら彼女らの残酷ともいえる運命が待ち受けている
のですが、ちょっと残酷なのかなと思うのですが、文章があま
りにも淡々と流れるように進み、だんだんとその世界観も露わ
になってきます。
完璧なサイエンス・フィクションということでもなく、かといって
完全なアナザー・ワールドでのお話でもなく、今の現実の世
の中がそれこそ指1本分だけ横にずれていたらこうなっていた
かもしれない、といった世界。
なんだか読んでいる最中、ずっと曇り空の中を歩いていた、と
いったような感覚になりました。かといってそれが不快でもな
かったんですけど。
受賞した作家ということであれば、さぞかし面白いだろうな
あ、という単純な想像をしてしまうのですが、カズオ・イシグ
ロはまだ読んでおらず、ブッカー賞受賞作『日の名残り』は
映画だかドラマだかを以前テレビで見ただけ。
表紙デザインのカセットテープがまずインパクト大(文庫は
わかりませんが)。そして物語の内容なのですが、序盤部
分から謎めいた世界観。登場人物のキャシーという女性が
介護職なのはわかるのですが、その介護される対象はとい
うと「提供者」という表現をされていて、なにを提供してなに
を介護するのか。
そして話は、キャシーの子ども時代になり、同年代の子ども
達が住む施設での友情や暮らしが描かれます。
そして、彼ら彼女らの残酷ともいえる運命が待ち受けている
のですが、ちょっと残酷なのかなと思うのですが、文章があま
りにも淡々と流れるように進み、だんだんとその世界観も露わ
になってきます。
完璧なサイエンス・フィクションということでもなく、かといって
完全なアナザー・ワールドでのお話でもなく、今の現実の世
の中がそれこそ指1本分だけ横にずれていたらこうなっていた
かもしれない、といった世界。
なんだか読んでいる最中、ずっと曇り空の中を歩いていた、と
いったような感覚になりました。かといってそれが不快でもな
かったんですけど。