この作品は、いつものクライトン(らしさ)というか、作風とは
ちょっと違うといいますか、1850年代のイギリスで起こった
列車に積まれた金塊の強奪事件を描いた作品で、首謀者である
正体不明の貴族が、クリミア戦争の戦費をロンドンの銀行から
列車で港へと運び大陸へ船で輸送するその途中、戦費である
12,000ポンドもの金塊を盗もうと画策する、といった流れ。
しかし、面白いには、物語の途中、この正体不明の貴族ピアースの
裁判が差し込まれているところです。
つまり、ネタバレというわけではなく、結果、金塊強奪は成功し、
その後逮捕されるという流れはあらかじめ分かるようになっていて、
しかし、その強奪までのプロセスがなんともスリルがあり、この時代
(ビクトリア女王時代)の世相、風俗なども説明されていて、しかし
そこはクライトン、どこまでが本当でどこからがフィクションなのか
わかりません。
クライトンの作品によく出てくる「参考資料、文献」などは、あとで
ネットで検索しても出てこなかったりして「ああ、フィクションだった
のか」とガッカリしたことも多く、しかし、決して嘘っぽくなく、また
真に迫っているのでコロリと騙されます。
ただ、首都警視庁である「スコットランド・ヤード」という名前の由来
が説明されていますが、それに関してはおそらく本物かと。
ある意味「ノンフィクションノベル」のように読めますし、冒険活劇
とも読めますし、クライムノベルとしても楽しめます。
それでいて、きちんとしたまとまり感があるのが構成力の凄さです。
ちょっと違うといいますか、1850年代のイギリスで起こった
列車に積まれた金塊の強奪事件を描いた作品で、首謀者である
正体不明の貴族が、クリミア戦争の戦費をロンドンの銀行から
列車で港へと運び大陸へ船で輸送するその途中、戦費である
12,000ポンドもの金塊を盗もうと画策する、といった流れ。
しかし、面白いには、物語の途中、この正体不明の貴族ピアースの
裁判が差し込まれているところです。
つまり、ネタバレというわけではなく、結果、金塊強奪は成功し、
その後逮捕されるという流れはあらかじめ分かるようになっていて、
しかし、その強奪までのプロセスがなんともスリルがあり、この時代
(ビクトリア女王時代)の世相、風俗なども説明されていて、しかし
そこはクライトン、どこまでが本当でどこからがフィクションなのか
わかりません。
クライトンの作品によく出てくる「参考資料、文献」などは、あとで
ネットで検索しても出てこなかったりして「ああ、フィクションだった
のか」とガッカリしたことも多く、しかし、決して嘘っぽくなく、また
真に迫っているのでコロリと騙されます。
ただ、首都警視庁である「スコットランド・ヤード」という名前の由来
が説明されていますが、それに関してはおそらく本物かと。
ある意味「ノンフィクションノベル」のように読めますし、冒険活劇
とも読めますし、クライムノベルとしても楽しめます。
それでいて、きちんとしたまとまり感があるのが構成力の凄さです。