晴乗雨読な休日

休日の趣味レベルで晴れの日は自転車に乗ってお出かけ。雨の日は家で読書。

パトリシア・コーンウェル 『審問』

2012-10-05 | 海外作家 カ
なんだかんだで、この「検屍官ケイ」シリーズを11作まで読み終えました。
しかしすでに20作くらい出てる(今年も最新作が出た?らしい)ので、道のり
はまだまだ遠いですね。

この作品『審問』は、前作の続きとなっていて、ちょっとおさらいしますと、
アメリカ、バージニア州検屍局長のケイ・スカーペッタの恋人でFBI心理
分析官のベントンが、キャリーという悪の権化に殺され、ケイの姪ルーシー、
リッチモンド警察の警部でケイの”相棒”マリーノらはキャリーを追い詰め、
最終的にキャリーの乗ったヘリコプターは海上で爆発。

さてこれで事件は一段落と思いきや、ヨーロッパから来た貨物船の木箱の中
から腐乱死体が。箱の内部には「狼男」という謎のメッセージが。
新しく赴任したリッチモンド警察の女性副署長のブレイは、どういうわけか
ケイとマリーノを陥れようと画策します。ところがそのブレイが”狼男”に
よって惨殺されるのです。

殺人現場に残された謎の毛を調べていくうちに、シャンドンという男の名前が
浮上、フランスのインターポールへ向かうケイとマリーノですが、ケイはインター
ポール職員のタリーと一夜をともに。

ジャンは奇形児として生まれて、闇のビジネス界の大物の家では隠されて育て
られます。全身を毛で覆われているジャンは”狼男”と名乗るようになって、
どういった方法か、アメリカへ渡ってきます。
そしてとうとう、ケイの家に侵入してきて、駆けつけたルーシーはシャンドンを
撃とうとします。それを止めさせるケイ・・・

で、ここからが『審問』となります。

いわゆる「PTSD」になったケイは、精神科医のアナ博士の家に住むことに
します。
数年前にニューヨークで起きた女性の殺人事件が、シャンドンの犯行ではないか
というこちで、ニューヨークの女性検事、バーガーがシャンドンの身柄をニュー
ヨークへ移送。
そうこうしているうちに、なんとバージニア州検察が、ケイをブレイ副署長殺害の
容疑にかけようとしているという話になっていて、ケイは誰も彼も信じられなく
なります。

さらに、マリーノの息子(別れた妻が引き取った)で弁護士のロッキーが、シャンドン
の弁護を担当するという衝撃のニュース。

もう検屍局長を辞めよう、と思うケイ。

そこに、姪のルーシーが、ATF(アルコール、たばこ、火器局)のエージェントを
やめて、元同僚とニューヨークで新しい仕事を始めるということを聞きます。
その仕事とは、私立の捜査機関「ラスト・プリシンクト(最終管区)」で、ケイも
誘われますが、とりあえずは検屍局長として残った仕事をやることに。

そんな最中、次々と起こる殺人。うらぶれたモーテルで殺された男は不可解な死に方
をしていて、このモーテルには、前にシャンドンが来ていた可能性が・・・

ベントンの残したファイルを探して、読み始めるケイ。なんとそこには、「ラスト・
プリシンクト」の文字が。そして、ベントンは生前ブレイに会っていたのです・・・

いろんな情報が押し寄せてきて、しっかり頭の中で整理しながら読み進んでいかない
と、うっかり置いてけぼりになってしまいそうな、かなり話が複雑にこんがらがって
いますが、最終的に「そうだったのか!」と合点がいきます。

さて、検屍局長をやめることになるケイですが、長年”連れ添ってきた”マリーノは
「あんたがやめたら俺はどうなるんだ?モルグへいっても、あんたがいると思うから、
あのいやったらしい場所へいくんだぞ、先生。あんたがあそこで唯一の救いなんだ。
ほんとだよ」
と、言葉を詰まらせ、泣く寸前で語ります。初対面のときは、あからさまに女性蔑視
だったマリーノ。ジーンときます。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 山本一力 『研ぎ師太吉』 | トップ | 宮部みゆき 『おまえさん』 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

海外作家 カ」カテゴリの最新記事