ここ最近、時代小説が面白いなあということで、特に山本一力に
ハマって読んでおります。
そういえば、同じ深川を舞台にした時代小説といえば、宮部みゆき。
『おまえさん』は、深川の同心、「ぼんくら」平四郎と、美少年の
甥っ子、弓之助と、その他”おでこ”や政五郎、煮売り屋のお徳など
が登場するシリーズの第3作。
深川で、斬り殺された謎の男。四十歳くらいで、財布から何まで抜かれ
て身元不明。この男の身元を探る平四郎と政五郎。
それからすぐ、今度は「痒み止め」の薬「王疹膏(おうしんこう)」で繁盛
している薬屋、瓶屋の主人、新兵衛が家の中で斬り殺されているところを
家族が発見。
さて、同じ深川の、間島信之輔の親戚で、おじいさんの”ご隠居”源右衛門
は、いっしょに検分に立ち会い、先日の身元不明の男と、新兵衛の斬り口
が同じだ、と判断します。
新兵衛の奥さん佐多枝は再婚で、隣に住んでいた医者の未亡人でした。娘の史乃は
前の奥さんとの子どもで、佐多枝とはそれまであまり仲は良くなかったのですが、
史乃は床に臥せってしまった義母の看病をしています。
新しい瓶屋の当主になる史乃は、若くてとても美人。調べに入った間島の彼女に
向ける視線が、被害者家族の参考人としてではないな、と平四郎は心配に。
瓶屋には、男の子くらいならすっぽり入るくらい大きな「瓶様」という瓶があり、
これを神様のように崇め拝みます。
捜査を続けていくうちに件の身元不明の死体の正体がわかります。
久助という薬研(今で言う薬剤師)で、なんと、瓶屋の新兵衛とは、かつて
大黒屋という薬問屋で、同じ時期に薬研として奉公していたというのです。
ところで、大繁盛している「王疹膏」ですが、瓶屋の看板には(大黒屋)の文字
があるのに、その大黒屋では販売していません。これはどういうことか。
この連続殺人は、薬にまつわる何かが関わっているのか、と考えていたところに、
大川(隅田川)上流で夜鷹の水死体が発見。背中にはばっくりと斬り口が。
源右衛門は、斬り口を見るや、久助と新兵衛の下手人と同じだと言い切り・・・
平四郎や政五郎の奥さん、殺された源兵衛の後妻と娘、”おでこ”の母、殺された
夜鷹の知り合い、煮売り屋のお徳などなど、この小説は「女性」が要所要所のキー
となっています。
タイトルが「おまえさん」ということで、一般的に女性が慕う、愛しい男にかける
言葉ですが、これは誰が誰に対しての「おまえさん」なのか・・・
富札(宝くじ)で人生が狂ってしまった男の話、”おでこ”の産みの親の話、
さらに弓之助の実家の「家庭の問題」や、間島の家での源右衛門の処遇に関する
話など、横道にそれたエピソードかと思いきや、これらの話が連続殺人の解決の
糸口になったりならなかったりして、複雑な展開にならないギリギリの按配で、
ここらあたりは宮部みゆきという優れた”差配人”の本領発揮ですね。
ハマって読んでおります。
そういえば、同じ深川を舞台にした時代小説といえば、宮部みゆき。
『おまえさん』は、深川の同心、「ぼんくら」平四郎と、美少年の
甥っ子、弓之助と、その他”おでこ”や政五郎、煮売り屋のお徳など
が登場するシリーズの第3作。
深川で、斬り殺された謎の男。四十歳くらいで、財布から何まで抜かれ
て身元不明。この男の身元を探る平四郎と政五郎。
それからすぐ、今度は「痒み止め」の薬「王疹膏(おうしんこう)」で繁盛
している薬屋、瓶屋の主人、新兵衛が家の中で斬り殺されているところを
家族が発見。
さて、同じ深川の、間島信之輔の親戚で、おじいさんの”ご隠居”源右衛門
は、いっしょに検分に立ち会い、先日の身元不明の男と、新兵衛の斬り口
が同じだ、と判断します。
新兵衛の奥さん佐多枝は再婚で、隣に住んでいた医者の未亡人でした。娘の史乃は
前の奥さんとの子どもで、佐多枝とはそれまであまり仲は良くなかったのですが、
史乃は床に臥せってしまった義母の看病をしています。
新しい瓶屋の当主になる史乃は、若くてとても美人。調べに入った間島の彼女に
向ける視線が、被害者家族の参考人としてではないな、と平四郎は心配に。
瓶屋には、男の子くらいならすっぽり入るくらい大きな「瓶様」という瓶があり、
これを神様のように崇め拝みます。
捜査を続けていくうちに件の身元不明の死体の正体がわかります。
久助という薬研(今で言う薬剤師)で、なんと、瓶屋の新兵衛とは、かつて
大黒屋という薬問屋で、同じ時期に薬研として奉公していたというのです。
ところで、大繁盛している「王疹膏」ですが、瓶屋の看板には(大黒屋)の文字
があるのに、その大黒屋では販売していません。これはどういうことか。
この連続殺人は、薬にまつわる何かが関わっているのか、と考えていたところに、
大川(隅田川)上流で夜鷹の水死体が発見。背中にはばっくりと斬り口が。
源右衛門は、斬り口を見るや、久助と新兵衛の下手人と同じだと言い切り・・・
平四郎や政五郎の奥さん、殺された源兵衛の後妻と娘、”おでこ”の母、殺された
夜鷹の知り合い、煮売り屋のお徳などなど、この小説は「女性」が要所要所のキー
となっています。
タイトルが「おまえさん」ということで、一般的に女性が慕う、愛しい男にかける
言葉ですが、これは誰が誰に対しての「おまえさん」なのか・・・
富札(宝くじ)で人生が狂ってしまった男の話、”おでこ”の産みの親の話、
さらに弓之助の実家の「家庭の問題」や、間島の家での源右衛門の処遇に関する
話など、横道にそれたエピソードかと思いきや、これらの話が連続殺人の解決の
糸口になったりならなかったりして、複雑な展開にならないギリギリの按配で、
ここらあたりは宮部みゆきという優れた”差配人”の本領発揮ですね。
ところで、宮部さんのこのシリーズも早く次が読みたいと思っています。
読者は我儘ですネ♪
山本一力の長編なら「あかね空」は抜群ですよー