明日10月3日「宮澤賢治研究会」で「宮沢賢治とアレニウス」と題して大沢正善教授がおはなしなされる案内が届いた。賢治座右の書「化学本論」にアレニウスの写真がでている。また「-方に宇宙物理学の大家として、光圧の理論より彗星の形を説明せる等の有力なる論文あり」と写真裏面にかかれている。この写真等には賢治もおおいにひかれたように思えるのだが、大沢教授のお話のなかに「化学本論」との関連はどのようなのか興味がもたれるところである。
上記写真は片山正夫著 「化学本論」 発行所 内田老鶴圃 大正九年八月一日第五版発行 定価金八円五十銭 より(第三版もおなじである)
はなしが違うが、「生誕百年記念 宮沢賢治の世界展」の本に力丸光雄教授が「化学と賢治」「片山正夫著『化学本論』」の写真が掲載されていた。「増補訂正改刻版」とみられるから大正十三年第六版以後の本であろう。「宮沢賢治の読んだ本 ー賢治所蔵図書目録ー」にも本の価格などをからみてこれと同じように記されているが、賢治蔵書はおそらく第五版以前のものであろう。清六氏の「賢治の生涯」に「農林学校時代」(大正4~7年)に机の上にこの本と「国訳妙法蓮華経」がのっていたというのであるから(このことは些末のことかもしれないが)。