岩手県の花巻地方で、「しゃごみ」と云われていた「なつぐみ」や「とうぐみ」は、「もちぐみ」とも云われていた。屋敷内等で植えられているのが見られたもの。
「しゃごみ」に似たような小さな赤い実を実らせる、この地方で「ぐみ」と呼ばれていて、野山から採ってきて、やはり屋敷の片隅に植えられていた小木がある。
この地方で「ぐみ」と呼ばれていたのは「鶯神楽」(うぐいすかぐら){スイカズラ科・スイカズラ属}の事である。
この「ぐみ」は里山で良く見られたが、「最近はやまでぐみを見れるのが本当に少なくなった」と、北上の知人の話であった。
宮澤賢治の作品に出てくる「やまぐみ」は、「あきぐみ」の事であろうか。
「宮澤賢治の蔵書 (32) 日本植物図鑑 牧野富太郎著」に 「ぐみ科」や「すひかづら科」の記載がある。