路地猫~rojineko~

路地で出会った猫と人。気付かなければ出会う事のない風景がある。カメラで紡いだ、小さな小さな物語。

「猫の木」(3)

2008-10-19 | ★アトリエ



        --「猫の木」(1)・・・「猫の木」(2)から読む--




朝になると、お店の女主人が外に出て開店の準備をしに来ました。

ねむっている猫を見つけると、女主人は、猫を店に入れ

ごはんを食べさせてあげました。

女主人は、ひとりぼっちだったので、三毛猫と暮らすことにしたのです。

その日から、毎日、三毛猫はお店の開店の時間に

お店の前の、レンガ塀の上で店番をするのです。



女主人のお店は、薬屋でした。

お客さんも、三毛猫にあいさつします。

不思議と、三毛猫にあいさつするお客さんは、お薬が良く効くのです。

三毛猫のおかげで、女主人の薬屋は良く効くと言ううわさで

いつもお客さんがやって来ます。

暖かい家と、おいしいごはん、女主人にとても大切にされ

三毛猫は、とても幸せに暮らしました。






    猫の木から生まれた猫には、ある特徴があるのです。




ひとつは、しっぽが長いこと。

ひとつは、何かしら体に欠陥(しっぽが短い等)を持っていること。

ひとつは、猫から生まれた猫とちがっていて、子猫を産まないこと。

ひとつは、体や心の病気の人を治す力を持っていること。

ひとつは、愛を貰って輝くように生きること。

ひとつは、九つの命ではなく、ひとつしか命を持っていないこと。

ひとつは、死ぬ時に、その姿が消えること。





     猫の木から生まれた猫は、どこにでもいて どこにもいない猫なのです。




                    --おしまい--







これはあくまで私の創作です。
一番初めに猫の話を書きはじめるきっかけになった
薬屋の看板猫」の『ミーディ』がモデルになっています。
『ミーディ』は私が知らない間に、永い旅に出たようです。





私の心の中に芽生えた「猫の木」が

誰かの心の中にも芽生えて、
 
沢山の「猫の木」が沢山の猫となり、

それぞれの猫達が何処かで
温かい愛と出会えることを願っています。






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コメント (8)
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