--「猫の木」(1)・・・「猫の木」(2)から読む--
朝になると、お店の女主人が外に出て開店の準備をしに来ました。
ねむっている猫を見つけると、女主人は、猫を店に入れ
ごはんを食べさせてあげました。
女主人は、ひとりぼっちだったので、三毛猫と暮らすことにしたのです。
その日から、毎日、三毛猫はお店の開店の時間に
お店の前の、レンガ塀の上で店番をするのです。
女主人のお店は、薬屋でした。
お客さんも、三毛猫にあいさつします。
不思議と、三毛猫にあいさつするお客さんは、お薬が良く効くのです。
三毛猫のおかげで、女主人の薬屋は良く効くと言ううわさで
いつもお客さんがやって来ます。
暖かい家と、おいしいごはん、女主人にとても大切にされ
三毛猫は、とても幸せに暮らしました。
猫の木から生まれた猫には、ある特徴があるのです。
ひとつは、しっぽが長いこと。
ひとつは、何かしら体に欠陥(しっぽが短い等)を持っていること。
ひとつは、猫から生まれた猫とちがっていて、子猫を産まないこと。
ひとつは、体や心の病気の人を治す力を持っていること。
ひとつは、愛を貰って輝くように生きること。
ひとつは、九つの命ではなく、ひとつしか命を持っていないこと。
ひとつは、死ぬ時に、その姿が消えること。

猫の木から生まれた猫は、どこにでもいて どこにもいない猫なのです。
--おしまい--
これはあくまで私の創作です。
一番初めに猫の話を書きはじめるきっかけになった
「薬屋の看板猫」の『ミーディ』がモデルになっています。
『ミーディ』は私が知らない間に、永い旅に出たようです。
私の心の中に芽生えた「猫の木」が
誰かの心の中にも芽生えて、
沢山の「猫の木」が沢山の猫となり、
それぞれの猫達が何処かで
温かい愛と出会えることを願っています。

今日は何位?

村では何位?
