買い物の帰り道、久々の昼間に
『灰縞さん』と『白石さん』にばったり出会った。
私は嬉しくなって、
荷物を置き去りにしたまま遊んでいると
後ろから声を掛けてくる女性がいる。
「うわ~、猫ちゃんがいるの?」
嬉しそうにその女性は声を掛けて来た。
猫の知り合いでもなさそうだ。
フレンドリーな『灰縞さん』は私の傍から離れないが
警戒心がいっぱいの『白石さん』は塀に隠れて見ている。
が、女性の興味は『白石さん』の様子で
どうしても仲良くなりた気な雰囲気だ。
以前飼っていた猫が白猫だったから、らしい。
好みのタイプというか…そんなモノがあるとすればだけれど
人と同じで、特に嫌な思い出でもない限り
同じ様な人(柄)を好きになるものかも知れない。
まぁ、飼い猫に良い思い出こそあっても
嫌な思い出なんて、そうそうある訳もないが。
私の母に近い年齢であろうその女性は
子供の様に目を輝かせて猫を覗き込んでは、
「私ねぇ、仲良くなりたくてニャ~って言って近付くんやけど、
いつも逃げられるんよねぇ」
と、残念そうに言った。
多分、動きと姿勢と目線の高さだろう。
意外と自分の家猫としか接していない人は
案外勘違いをしている人が多い。
種族が違うのだからやはり、外猫のルールに従うべきだろう。
「二匹とも綺麗な猫ね、やっぱり子猫のうちは可愛いもんね」
この白猫が子猫だったら、
家に連れて帰りたそうなニュアンスでそう言った。
急用を思い出した私は
立ち上がり、挨拶をして彼女と猫達と別れ、
足早に帰る道すがら
白い子猫の分布図を思い描いた。
いつか再びあの女性に出会えたら、教えてあげよう
…猫の住所録。
路地の白猫が、幸せな家猫になれる事を願って。
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