路地猫~rojineko~

路地で出会った猫と人。気付かなければ出会う事のない風景がある。カメラで紡いだ、小さな小さな物語。

猫の住所録

2010-01-14 | 『灰縞さん・白石さん・栗坊・きつね』


買い物の帰り道、久々の昼間に

『灰縞さん』と『白石さん』にばったり出会った。

私は嬉しくなって、

荷物を置き去りにしたまま遊んでいると

後ろから声を掛けてくる女性がいる。





「うわ~、猫ちゃんがいるの?」

嬉しそうにその女性は声を掛けて来た。

猫の知り合いでもなさそうだ。




フレンドリーな『灰縞さん』は私の傍から離れないが

警戒心がいっぱいの『白石さん』は塀に隠れて見ている。

が、女性の興味は『白石さん』の様子で

どうしても仲良くなりた気な雰囲気だ。

以前飼っていた猫が白猫だったから、らしい。




好みのタイプというか…そんなモノがあるとすればだけれど

人と同じで、特に嫌な思い出でもない限り

同じ様な人(柄)を好きになるものかも知れない。

まぁ、飼い猫に良い思い出こそあっても

嫌な思い出なんて、そうそうある訳もないが。



私の母に近い年齢であろうその女性は

子供の様に目を輝かせて猫を覗き込んでは、

「私ねぇ、仲良くなりたくてニャ~って言って近付くんやけど、

 いつも逃げられるんよねぇ」

と、残念そうに言った。




多分、動きと姿勢と目線の高さだろう。

意外と自分の家猫としか接していない人は

案外勘違いをしている人が多い。

種族が違うのだからやはり、外猫のルールに従うべきだろう。




「二匹とも綺麗な猫ね、やっぱり子猫のうちは可愛いもんね」

この白猫が子猫だったら、

家に連れて帰りたそうなニュアンスでそう言った。




急用を思い出した私は

立ち上がり、挨拶をして彼女と猫達と別れ、

足早に帰る道すがら

白い子猫の分布図を思い描いた。




いつか再びあの女性に出会えたら、教えてあげよう

…猫の住所録。

路地の白猫が、幸せな家猫になれる事を願って。









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コメント (4)
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