路地猫~rojineko~

路地で出会った猫と人。気付かなければ出会う事のない風景がある。カメラで紡いだ、小さな小さな物語。

謎解きは猫まんまの後で

2011-11-20 | 『灰縞さん・白石さん・栗坊・きつね』




夜になると、必ず寄る場所がある。




以前は『栗坊』と『白子』が、

最近では『灰縞さん』と『白石さん』が

良く出没するスポットだ。




お天気の具合にも左右されるし、面白いくらいに規則的でもなく

晴れていたって気まぐれに(猫なので)来ないこともあるのだが

気になって必ず通るようにしている。




その時々の猫なりのブームで

出没ポイントが50m規模でずれるのが特徴なのだ。

その日は、小さな休憩ベンチのある公園に居た。

何処に居ても、暗がりで私を見付けると、

必ず『灰縞さん』が坂田利夫ばりの「お迎え走り」で

トテトテとやって来る。

私に辿り着いたら、早速先導役をしながら

『白石さん』の待つベンチ下のポジションへ誘導されるのだが、

今日は『灰縞さん』がお迎えに来ない。




「どうしたのかな?」と一人歩いて近付くと

2匹で仲良くお皿(プラスチックのお菓子のトレイに)を並べて

(真ん中にはプリンの空きカップにお水を並々と入れてあった)

それはそれは、素敵なディナーの真っ最中だったのだ。

ウケ口で歯並びの悪い『灰縞さん』を気遣ってか、

柔らかなウェットタイプとカリカリタイプを

混ぜた高級な猫まんま。

食べやすくて美味しいご飯を前に、

私の事など振り返る気持ちにはなれなかったのだろう。





「誰かの差し入れかな?良かったね。」

頭を撫でると『灰縞さん』は私に頭を押されたのを良いことに

『白石さん』のお皿に顔をつっこんでワシワシ食べては

彼女のご飯の邪魔をするのだ。

可笑しくも、微笑ましいディナーを見ながら

「しかし、一体誰がこんなご馳走を用意してくれたんだろう?」

と、不思議に思った。

以前、この近くで「猫の人」に会ったが

複数の人が猫に会いに来ると言っていたので

その内の一人なのだろう。





「おばさんの目は節穴でございますかにゃ?」





このディナーの準備をしたのは一体誰だったのか

真相は謎のまま

猫達のディナーは、私の足元でミシミシと進んでいた。








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コメント (4)
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