路地猫~rojineko~

路地で出会った猫と人。気付かなければ出会う事のない風景がある。カメラで紡いだ、小さな小さな物語。

1つの事件、10人の真実

2016-06-27 | ★ほんの日常




久々に時間を忘れて夢中になって本を読みました。



湊かなえ著

「ポイズンド―ター・ホーリーマザー」



実に人の悲しくもブラックな部分をえぐるように

巧妙に描かれていて圧巻です。



丁度「嫌われる勇気」も同時進行で読んでいて、

何だか腑に落ちる事も多かった気がする。

ついでに「火の粉」も読んでましたが

これはドラマとは全く違う結末でビックリでした。

ドラマも凄く面白かったんですが、

小説のがやっぱり面白い。



人の出会いが微妙に絡み合うとこんな風に

歪んだり、衝突したり、事件になったり、

良い人も優しい人も罪深き人も悪い人も

加害者にも被害者にもなりうる危うさが

そこかしこに散りばめてあって、

思わず地獄に引きずり込まれます。




奇妙な殺人事件は、

ありふれた日常の中に導かれる起点が普通に存在していて、

道を踏み外さずにこの場に立っていられる事の方が

ある意味、不思議なのかも知れない。




世の中には色んな人がいる。

悪意のない悪意をぶちまける人、

故意に悪意をぶつける人、

自分のない優しさを持つ人、

他人とは共有出来ない楽しみを持つ人…

当の本人が意外とその事に気が付かないまま生活していたりする。

そして、一番の怖いのが

本当の姿が解っていない自分自身で

他者という「鏡」が存在ない限り、その姿は映し出せない事でもあり

真実は、それに関わる人の数だけ存在するのだ。












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